所長のコラム

副業認める就業規則 平成29年11月29日(金) 

 以前にも何度か報道がありましたが、厚生労働省は、同省が公開している「モデル就業規則」に、副業を認める内容を盛り込む方針を固めたようです。 

 具体的には、「現在のモデル就業規則にある「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」という規定を新設する。」とのことで、「原則禁止」から「原則容認」へ、という大きな変更と言えます。

 もちろん、モデル就業規則がそうなったからといって、自社の就業規則を変更しなければならないということにはなりませんが、モデル就業規則を自社の就業規則に転用している会社は多いので、かなりの効果が見込まれるでしょうし、そもそも、その効果を期待しての変更ですから、流れは変わったと考えていいと思います。ただし、導入に当たっては、「本業への集中度」、「総労働時間」、「労働保険の扱い」、等々、クリアすべき事項も多いので、慎重な対応が必要です。

結局「働き方改革」って? 平成29年10月30日(月) 

 この事務所だよりが皆様のお手もとに届く頃には総選挙の結果は出ていると思われますが、労働基準法を中心にしたいわゆる働き方改革に関連する労働法の改正案は、過去数回にわたって選挙等の事情により廃案になっています。今回も総選挙のため法案審議は先送りされましたが、選挙運動の中で各党「働き方改革」の推進を掲げており、「長時間労働の是正」、「非正規労働者の待遇改善を」といった言葉がよく聞かれます。

 先日経済誌で、「働き方改革の重要な論点の1つは、新たな需要を生み出すことができるかどうかである。…(中略)…働き方改革の議論については、労働者のスキルアップなどの改革を行ったとしても、結局は需要が増えなければ経済全体のパイは拡大しないという点が重要である。そのためには働き方改革によって労働時間を減らすことだけではなく、上記のように増えた余暇をいかに需要増に結びつけるかといった視点が重要である。」という記事を読みました。

 確かにその通りでしょう。何かを減らしたら何かを増やさなければバランスはとれませんね。

「いじめはダメ!」 パワハラに罰則!? 平成29年9月25日(月) 

 厚生労働省の調査によると、平成28年度のパワハラに関する相談件数は、7万件超となり、10年前に比べると約2.5倍に達しているようです。これは、「10年前に比べてパワハラが2.5倍に増えた」というよりも、「パワハラに対する認識が変化した」と見た方が妥当であるように思います。

 少し前に、「職場におけるいじめや嫌がらせなどのパワーハラスメント(パワハラ)に対し、政府が罰則を含めた法規制の検討に着手した。」との報道がありましたが、一体どこから罰則の対象になるのかの線引きは難しそうです…。

 それでは、ここでひとつ、厚生労働省によるパワハラの定義を↓

 職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義をしました。この定義においては、①上司から部下に対するものに限られず、職務上の地位や人間関係といった「職場内での優位性」を背景にする行為が該当すること、②業務上必要な指示や注意・指導が行われている場合には該当せず「業務の適正な範囲」を超える行為が該当すること、を明確にしています。


「かとくって何??」 平成29年8月28日(月) 

 最近「かとく」という言葉をよく耳にしませんか?…「かとく」って一体なんのことでしょうか?

 「かとく」とは、厚生労働省の「過重労働撲滅特別対策班」の通称です。この過重労働撲滅特別対策班:通称「かとく」は、「情報技術に精通したベテランの労働基準監督官で組織されており、企業の違法残業に対し、強制捜査権のある司法警察官としてにらみをきかせている!」とのこと。なにやら恐ろしげですね。

 労働基準監督署の「是正勧告」を何度も受けたり、過労死などの問題が起きても労務環境を改善しないなどの、違法性が高い場合に「かとく」が出動します。「かとく」の監督官は、全国に約3200人いるそうで、労働基準法に基づいて、企業に抜き打ちで立ち入り調査を行うこともあるようです。

 だからというわけではもちろんありませんが、従業員の労働時間の適正な把握と管理は企業の命運をも左右する最重要事項の一つです。常日頃から意識しておきたいものです。

「脱時間給制度導入企業に、年104日以上の休日確保を義務付け」 平成29年7月31日(月) 

 報道によりますと、「政府は労働時間でなく成果に基づき賃金を払う「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)について、連合の提案をもとに現行案を修正する。年104日以上の休日確保を企業に義務付け、労働時間の上限設定や連続休暇の取得を労使で決める仕組みとする。現行案は休日確保が不十分とされ、国会の審議が膠着。政府は秋の臨時国会で残業時間の上限規制などを含む働き方改革関連法案を審議する予定で、脱時間給を盛る労働基準法改正案の成立もめざす。」とのこと。

 今のところ、対象となる労働者は、年収1,075万円以上の金融ディーラーやアナリストなどに限定されており、法制化されても影響は少ないようですが、いずれすそ野を広げてくることは間違いないでしょう。その際には「勤務間インターバル」、「労働時間の上限設定」、「2週間連続の休暇の確保」、「臨時の健康診断の実施」など、現時点で検討されているオプションも更に多様化するのは必至と言えます。

 年104日以上の休日の確保という概念は、法定休日の定義にもかかわる事項でもありますので、労働基準法の基本的な部分の解釈の見直しにも備えておく必要がありそうです。

「厚生年金 加入逃れ防止!」 平成29年7月3日(月) 

 国税庁から毎月、源泉徴収している企業のデータが年金機構へ提供されるようになります。

 報道によりますと、「厚生労働省と日本年金機構は、厚生年金の加入逃れを防ぐ対策を強化する。今秋をめどに国税庁から毎月、源泉徴収している企業のデータを提供してもらう取り組みを開始する。提出頻度を現在の年2回から大幅に増やすほか、事業許可の申請で自治体などを訪れた企業に対し、加入の有無を確認する業種も広げる(現在は建設業や運送業を対象としているが今後は飲食や理容、社会福祉事業なども対象に…)。」 とのこと。

 52万におよぶ事業所が、本来は加入しなければならないにもかかわらず、加入していない可能性があるという調査結果もあり、行政側も業を煮やしたということもあるのでしょうか…。近い将来、税と社会保険の情報はマイナンバーによりリンクされるので、個人レベルで行政が全面把握できるのも時間の問題といえます。社会保険の加入要件等を今一度確認し、自事業所の実態と突き合わせを行う必要があるでしょう。

「残業時間 公表義務付け!?」 平成29年5月29日(月) 

 従業員の残業時間の公表が大企業に義務付けられる見通しとなりそうです。

 報道によりますと、「厚生労働省は2020年にも従業員の残業時間の公表を大企業に義務付ける。企業は月当たりの平均残業時間を年1回開示するよう求められ、従わなければ処分を受ける。それぞれの企業の労働実態を外部から見えやすくし、過度な長時間勤務を未然に防ぐ狙いがある。職場の生産性を高める効果も期待されるが、負担が増す企業側の反発も予想される。」とのこと。

 ここでいう大企業とは、従業員数301人以上の企業で、約1万5千社が対象となるようです。(従業員300人以下の中小企業については罰則を伴わない「努力義務」にとどめる方向。)

 公表する場所は、企業のホームページか厚生労働省のデータベースで、頻度は年1回。罰則は、行政指導・勧告、20万円以下の罰金で、来年から労働政策審議会で議論が始められるようです。

 長時間労働への対処が労務管理の中心であると言っても、もはや過言ではないでしょう。

「イマとミライ」 平成29年5月1日(月) 

 宅配大手が、過去の残業代の遡及支払い、ネット通販大手との取引見直し、再配達受付時間の変更、といった一連の措置に踏み切り、世間の注目を集める中、環境省が、「イマ」と「ミライ」の活動を開始させました!

 と言っても、「なんのことやら?」と思われる方も多いのではないでしょうか?これは実は環境省が、ホームページで公開しているアニメで、その内容とは、萌えキャラ「君野イマ」と「君野ミライ」が地球温暖化防止に向けた「クールチョイス(賢い選択)」を若者にPRしつつ、2人のやりとりを通じて二酸化炭素(CO2)の排出が少ない商品の購入や行動を学べる、というものです。↓

「部屋の電気も消し忘れ、冷蔵庫の扉も閉め忘れる。真冬の部屋で暖房をガンガンに利かせてアイス クリームを食べるのが至福のひととき。 そんなぐうたらな女子高生、君野イマはCoolなChoiceとは程遠い暮らしを送っていた。 そんな彼女のもとに突如として現れたのは、姿かたちも自分とそっくりな、君野ミライ。 そんな2人の出会いをご覧ください。」

 報道によると、『内閣府の世論調査でクールチョイスの認知度は約3割にとどまり、特に18~29歳は19.6%しかなかった。山本公一環境相は「若い世代に協力してもらうため、なんでもやる」と話している。…』とのこと。本件の効果については知るよしもありませんが、なんとなくほほえましさをおぼえるこの試み、いろいろ応用がきくかもしれません。

「雇用保険の対象は?」 平成29年3月31日(金) 

 雇用保険の対象(被保険者となるべき労働者)についての議論が活発になっているようです。

 雇用保険の被保険者が、労働日数等の一定の必要要件を満たしたうえで離職すると、基本手当(いわゆる失業保険)が支給されます。

 現行法においては、週の労働時間が20時間以上になると雇用保険の被保険者となります。 

 しかしながら、その週20時間の労働時間のカウントは、あくまでも一つの会社で働いていることを前提にしているため、例えば、A社での週の労働時間が15時間、B社での週の労働時間が5時間で合計20時間であっても、雇用保険に加入することができません。
 そこで、2社以上での労働時間を通算して20時間以上であれば雇用保険に加入させ、その人が失業したときには基本手当を受給できるようにしよう、という動きがあります。

 でも、これはなかなか難易度が高いように思います。例えば前述の、A社で週15時間、B社で週5時間働く人がどっちか一方だけを辞めたときの基本手当をどうするのか?という問題があります。また、会社側が自社で働いている以外の労働時間をどうやって把握するのか?という問題もあります。雇用保険の被保険者資格取得届は、現行では会社が行っていますが、労働者が自ら行う、ということも考えられますが、そう簡単にはいかないでしょう。
 他にもまだまだ多くの解決すべき問題が横たわっていそうです。

「また残業」 平成29年3月1日(水) 

残業上限 月60時間 政府提示、労使受け入れへ
というニュースが大きく報道されました。内容は、「残業の上限を月60時間、1年間で720時間に収めることとし、繁閑に合わせた残業時間の調整を可能とする。」というもので、早ければ2019年度に運用を始められるように、政府は労働基準法改正案を年内に国会に提出するようです。

残業(法定労働時間外)時間の上限規制のまとめ

(現状)
 ・36協定締結→月45時間、年360時間
 ・特別条項締結→年6か月まで無制限

(政府案)
 ・1か月の上限→60時間
 ・年間計→720時間
 ・繁忙期は上限を別途設ける

(今後検討)
 ・繁忙期は月100時間まで容認
 ・2か月平均で80時間以内


現行の労働基準法では、法定労働時間を1日8時間まで、かつ1週間40時間までと定めています。同法36条の定めによる労使協定(36協定)を締結すれば、月45時間、年間360時間の残業が可能となり、さらに特別条項付きの36協定を締結すれば、上限なく働かせることができるようになります。つまり、現状においては、実質的には(労働時間の)上限はありません。

今回の労働基準法の改正案は、初めて法律上の労働時間の上限を設けようとするものですから、非常に大きな変化と言えましょう。

「残業」 平成29年2月1日(水) 

 例の電通の事件以来、残業に関する議論が非常に盛んになっているようです。政府は、法改正を含めた様々な検討を行っており、内容によっては、各方面に大きな影響を与えるであろう事項も少なくありませんので、いくつかご紹介します。

 つい先日も、「政府は、月60~80時間を軸に、企業の残業時間に上限を導入することを検討する。」との報道があったばかりです。今回は労働基準法を改正し、違反企業に対する罰則も設ける方針であると伝えられておりますので、使用者側もある程度腰を据えて、労働時間管理の見直しをする必要がありそうです。80時間というのは、厚生労働省が、過労死の認定基準を「月80時間超の残業が2~6カ月間続く状態」としていることに由来し、また、60時間というのは、月60時間超の残業には割増賃金の割増率を上げなければいけないルールに由来しているようです。政府内では、2019年度においての施行も視野に入っているようです。最低賃金も上昇する一方ですので、労使ともに、効率的な働き方に対する取り組みが今まで以上に必要となってくるでしょう。

 違法残業に対する取り締まりも徐々に厳しくなりつつあります。これは、主に36協定違反に対するものと考えられます。36協定の未締結はもちろんのこと、36協定を締結していても、協定の内容が守られていなければ、それは違法になりますので、各企業は、自社の協定内容をいま一度洗い直し、職場の実態と比較する必要性も生じるでしょう。また、違法な長時間労働をさせている企業への立ち入り調査の基準は月80時間超とされており、これも前述の上限労働時間の根拠の一つと考えることもできましょう。

 労働基準法の改正案にも盛り込まれることが予測される、インターバル制度を自主的に取り入れる企業が増えてきているとのことです。インターバル制とは、退勤時刻から次の出勤時刻の間を一定時間以上空けなければならないとする制度で、変形労働時間制を採用している事業所などでは以前より導入している例が見られますが、一般的にはほとんど認知されていないと思われます。

「同一労働同一賃金」 平成29年1月1日(日) 

 政府から、「同一労働同一賃金」のガイドライン(指針)案が示されました。報道によると、指針のポイントは以下の3点です。

①基本給
 職業経験や能力、業績・成果、勤続年数の3要素の基準を設定。それぞれの要素で働き方を評価する。

②賞与
 会社に同じ貢献をすれば正社員でも非正規でも同様の額を支給する。貢献度合いに違いがあればその相違に応じた額を払う。

③手当など
 通勤費や出張手当、慶弔休暇、食堂の利用といった福利厚生は同一にしなければならない。

 自社においては、まず、正社員と非正規社員の違いはそもそも何なのか?という点について考え直す必要がありそうです。つまり、「非正規だから、正社員より基本給が低い」、「非正規だからボーナスはない」、「非正規だから手当は正社員とは違う」とすれば、何故非正規だから正社員と待遇が違うのか?という根本的な問いに対しての答えを用意しなければならないということでしょう。

 そのために着眼すべきなのは次の3点と考えられます。

(1)働き方と業務の内容 
 業務の内容を決定するのは能力や適性であり、働き方の属性ではないという十分な理解が必要です。

(2)責任区分 
 より重要な仕事を担えるかどうかを正社員とするか非正規とするかの中心的決定要因とすることことが大切です。ただ、実際にはこれがそもそもの決定要因であったはずで、多かれ少なかれどこの会社でも根拠はあるので、改めて定義し直すといった方が正しいかもしれません。

(3)働き方の選択基準
 正社員として働くか、非正規で働くかは必ずしも会社側(使用者側)が一方的に決めているわけではなく、様々な条件により、労働者側が選択している場合も非常に多いことは間違いありません。使用者側には、選択の基準を明確にすることが求められていると思います。

働くときに必要な基礎知識

2016年12月1日(木) 

 厚生労働省では、これから主に社会に出る人たち向けの労働関係法令の周知徹底の強化をしています。同省作成のハンドブック、『知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~』の内容は、自業主(使用者)側から見ても参考になる記載が多く見られました。中でも、興味深かったのは、「働きはじめるときの基礎知識」と題して、ある会社の求人情報を例にとって、何を読み取るか、どのように判断するかを解説しているもので、次の6つを最重要項目と位置付けています。 

①労働契約内容:
労働契約の内容と実際の労働条件が違っていたら、契約通りにするよう会社に要求することができます。 

②賃金:
賃金は、都道府県ごとに最低額が定められており、それより低い額は認められません。また、本人に、現金で、全額を、毎月1回以 上、一定期日に支払わなければなりません。

③労働時間:
労働時間の長さは、1日8時間以内、1週間で40時間以内と決まっています。時間外に働いた労働者には、賃金を割り増して支払う必要があります。 

④休憩・休日:
1日の労働時間が6時間/8時間を超える場合には少なくとも 45 分/60分の休憩 が必要です。また、毎週最低1回(又は4週間を通じて4日以上)の休日が必要です。

⑤安全・衛生:
仕事中に病気やけがをした労働者は補償を受けられます。会社は労働者の安全に配慮 し、健康管理に気を配る必要があります。 

⑥男女雇用機会均等・仕事と家庭の両立:
男性と女性が共にいきいきと働きつづけることができるように、性別による差別の禁止や仕事と家庭の両立をサポートする制度などが設けられています。 
 

 ①から④は基本的な労働条件に関するもので、いわば定番ではありますが、分かりやすい記述になっています。(特に①)。近年に特徴的な内容は⑤と⑥です。これらは、ここ2~3年の間にマスコミで取り上げられる頻度も非常に多くなっている事項ですが、使用者側にはいま一つ浸透しきっていない事柄です。しかし、こういった啓発等によって、求職者側はこれらの内容をよく理解しており、これを会社の良し悪しの判断基準として大きくウエイトを置いていることが予想されます。

 もちろんそれのみを判断基準にしているわけではありませんが、使用者側(求人側)としても十分チェックし、社内の体制の整備、求人の際等に気を配っておいても決して損はないでしょう。

「配偶者控除の廃止」見送り

2016年11月1日(火) 

 今回はいよいよか?と身構えていたのですが、結局「配偶者控除の廃止」は見送りになりました。 
 配偶者控除は、対象者の配偶者の年収が103万円以下であれば、対象者の給与所得から38万円を差し引いて課税所得を決められるため、「103万円の壁」と呼ばれていますが、多くの場合、対象者は夫、配偶者は妻であることから、女性の社会進出を阻む「壁」であるとみなされています。  

 そのため、今回の「配偶者控除の廃止案」では、専業主婦世帯を優遇する所得税の配偶者控除を見直して共働きにも適用する「夫婦控除」を創設する予定であったわけですが、結局見送りになったために、政府は、女性の就労を後押しするため、配偶者(妻)の年収制限を緩和して適用対象を広げる案を検討するとのこと。具体的には現在の年収基準「103万円以下」を「150万円以下」に引き上げる案を検討するそうですが、なんとなく本末転倒のような気がしないこともありません。 

 これに関連し、内閣官房長官が、「(配偶者控除は)配偶者の労働意欲を抑制するとの指摘がある一方で、家族の助け合いや家庭における子育てへの配偶者の貢献を積極的に評価すべきだとの声があることも事実だ」と述べていました。また、配偶者控除は、憲法の生存権に基づくものであるとの指摘もあり、色々な観点から、なかなか一筋縄にはいかない問題であるようです。  

女性の社会進出を阻む?壁?

2016年10月1日(土) 

 「専業主婦世帯の税負担を軽減する「配偶者控除」の見直しを検討することになった。」との報道がありました。狙いは、「少子高齢化による働き手不足の解消」と、「女性の社会進出の後押し」とされています。

 女性の社会進出を阻む壁としては、「103万円の壁」、「130万円の壁」、「141万円の壁」などがあります。「103万円の壁」は、配偶者控除の上限で、妻の年収が103万円になると、夫の配偶者控除がなくなります。「130万円の壁」は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)上の扶養家族でいられる上限で、妻の年収が130万円になると、妻に社会保険の加入義務(保険料支払い義務)が生じます。(「130万円の壁」は、今月より、一定規模以上の企業においては「106万円の壁」まで低くなります。)「141万円の壁」は配偶者特別控除の上限で、妻の年収が141万円になると、「配偶者特別控除」(妻の年収が103万円を超えても夫の税負担を軽減する仕組み)もなくなります。

 報道によると、「配偶者控除が廃止されることにより、夫の年収が600万円の世帯なら約7万円の負担増になると試算されており、配偶者控除の代わりに、夫婦なら年収や働き方を問わずに一定の控除が受けられる「夫婦控除」の導入が検討される。対象は配偶者控除より増える見通しだが、税収が大きく減らないよう、夫の年収に制限を設けたり、控除を縮小したりする可能性がある。このため、夫婦控除が導入されても増税となる世帯が出そうだ。」とのことで、税制改革のみではかなり難しそうですね。

標準世帯モデルは既に遠い昔…

2016年9月1日(木) 

 先日、「働く母親、過去最高の68%(昨年調査)」 との報道がありました。従来の社会保障制度設計の基礎(前提)であった、「専業主婦+子供二人+会社員の夫」、という標準世帯モデルは既に遠い昔のことのような気がします。本年10月から実施される、従業員規模501人以上の企業における、厚生年金保険・健康保険の加入対象者の拡大の、中小企業への適用も時間の問題かもしれません。

 厚生労働省が、「収入の高い大企業の社員らの保険料引き上げの、2018年度からの実施を目指す。」としたことに対して、経済界は強く反発しているとのことです。高齢化に伴い、介護費用は年間10兆円にも達しているそうなので、やむを得ない面が大きいのは分かりますが、反発するのもまた理解できることです。

 社会保障の財源確保のためには、保険料の引き上げ、パイの拡大、保障対象の絞り込みをバランスよく進める必要があることは、客観的には、誰が考えても分かることなのでしょうが、実際に各々の直近に今よりも不利益が増えるのもまた誰でもいやなことには違いありません。今の世の中で感じる息苦しいような閉塞感の元をたどれば、実はこの問題に行き着く部分が非常に多いように思います。

年金受給資格期間短縮と社会保険の適用拡大

2016年8月1日(月) 

 デフレ脱却に向け、「内需を下支えできる総合的かつ大胆な経済対策」の一環として、(国民)年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間(国民年金受給資格期間)を、来年度から短縮する意向を先日安倍首相が表明し、話題になりました。これは、現在の国民年金受給資格期間を25年から10年に短縮する措置で、元々は消費税の10%への増税と同じタイミングで行われる予定でしたが、今回は、増税を先送りしたけれども延期せずに実施するということです。
 平成19年4月時点で、70歳まで保険料を納付しても25年に満たない人は、60歳未満で45万人、60歳~64歳で31万人、65歳以上で42万人との統計があり、今回の、(増税を伴わない)受給資格期間の短縮措置には、無年金者を減らすという目的の他にも、年金保険料の未納問題を解消する狙いもある程度はあったと思われます。


 従業員規模501人以上の企業における、厚生年金保険・健康保険(社会保険)の加入対象者の拡大(社会保険の適用拡大)もいよいよ本年の10月から実施されます。これは、現在は、一般的に労働時間が週30時間以上が加入の対象である社会保険を、20時間以上まで拡大する措置で、厚生労働省は、適用拡大による対象者数は約25万人 と見込んでいるそうです。
  同省では、加入する(適用になる)メリットとして、以下の4つを掲げ、HP等で大きくアピールしています。


(1)将来もらえる年金が増える 
(2)障害がある状態になり、日常生活を送ることが困難になった場合なども、より多くの年金がもらえる 
(3)医療保険(健康保険)の給付の充実 
(4)保険料は会社と加入者の折半で、現在国民年金保険料・国民健康保険料を支払っている場合は、今より保険料が安くなることがある

   社会保障の充実・安定化と、そのための安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指すものであった、「社会保障と税の一体改革」は、消費税増税延期で片翼飛行となってしまったため、財源確保はおそらく喫緊の課題でしょう。国民年金受給資格期間の短縮による年金保険料未納の解消と、社会保険の適用拡大による保険料収入の増だけでは賄いきれない不足財源の確保のために、第二、第三と、次々と対策がうたれることは十分に予想されます。

ハローワーク活用のメリットとデメリット その一

2016年6月30日(木) 

ハローワークは有効活用されているのでしょうか?もし、必ずしも有効活用されていないとすれば、求職サイドと求人サイド(企業)のミスマッチがその要因の一つであると言えるかもしれません。今回は、求職者側がハローワークを利用する際のメリットとデメリットについて見てみました。


メリットとしては、以下の項目が上位に上がってきました。

①(求職者)の地元の求人を探しやすい
②企業とのアポイントとり等、ハローワークの職員がサポートしてくれる
③ハローワークにしかない求人がある
④求人情報の検索が簡単である
⑤比較的採用されやすい

デメリットとしては、以下の項目が上位に上がってきました。

①地元の企業がメインで、幅広く(多くの地域の)求人情報を得られない
②大手の企業が少ない
③待遇の良い求人が少ない、ブラック企業の恐れがある
④採用されにくい
⑤応募までに時間がかかる  

こうして比較してみると、メリットとデメリットは概ね裏表になっていることが見えてきます。ハローワークは基本的に地元密着なので、より広域の求人情報を得たいという求職者にとっては利用しにくいという面はありますし、これはしかたのないことでしょう。着目すべきは、デメリットの②と③です。ここからは、「大企業であれば待遇も良いであろうし、ブラック企業である恐れは低いであろう」と求職者たちが考えていることが読み取れます。とすれば、企業が求人情報を出す際に、どれだけ企業情報を明確に伝えるられるかどうかが一つのポイントとなりそうです。ハローワークの求人票には、「仕事の内容」、「求人条件特記事項」、「事業内容」、「会社の特徴」、「備考」など、比較的自由に自社をアピールできる欄が結構あります。  

企業側からみたハローワーク利用の最大のメリットは、費用がかからない点です。  

活用しない手はありません。

配偶者手当の在り方

2016年6月29日(水) 

配偶者手当とは:
「民間企業において、配偶者がいる従業員に対して支給される手当のことを「配偶者手当」といいます。実際の手当の名称は、企業によって「家族手当」「扶養手当」 などさまざまです。」 ※厚生労働省リーフレットより引用


同リーフレットの冒頭には以下のような記載があります。
「女性の就業が進むなど社会の実情が大きく変化している中で、配偶者の収入要件がある「配偶者手当」については、税制・社会保障制度とともに、女性パートタイム労働者の就業調整の要因となっていると指摘されています。 今後、労働力人口が減少していくことが予想される中、税制・社会保障制度だけでなく、配偶者の収入要件がある「配偶者手当」についても、配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれます。-後略-」

  厚生労働省では、配偶者手当は女性の積極的な社会進出並びに今後の労働力不足解消の阻害要因の一つであると位置づけられおり、同省で取りまとめた、「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」にも下記のような手厳しい指摘があります。
「配偶者手当は、家事・育児に専念する妻と仕事に専念する夫といった夫婦間の性別役割分業が一般的であった高度経済成長期に日本的雇用慣行と相まって定着してきた制度であるが、女性の就業が進むなど社会の実情が大きく変化している中、税制・社会保障制度とともに、就業調整の要因となっている。今後労働力人口が減少していくことが予想され、働く意欲のあるすべての人がその能力を十分に発揮できる社会の形成が必要となっている中、パートタイム労働で働く配偶者の就業調整につながる配偶者手当(配偶者の収入要件がある配偶者手当)については、配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる。」

 このように、厚生労働省は、企業に対して、配偶者手当を含めた賃金制度の積極的な見直しをうながしており、上記「配偶者手当の在り方の検討に関し考慮すべき事項」では、(配偶者手当を含めた)賃金制度の見直しにあたっての留意点についても下記のように指摘しています。

① ニーズの把握など従業員の納得性を高める取組  
② 労使の丁寧な話合い・合意  ③ 賃金原資総額の維持  
④ 必要な経過措置  
⑤ 決定後の新制度についての丁寧な説明  

 上記5点の中で、注意を要するのは、「③賃金原資総額の維持」でしょう。配偶者手当を減額乃至は廃止するにあたっては、(配偶者手当を含めた)賃金総額は減らさず、配偶者手当を減額乃至は廃止して浮いた分は転用せずにその他の賃金として還元することを前提としているということになります。

 社会保険の適用範囲拡大と合わせて、企業内でも早めの早めの検討が求められましょう。 

定年の引上げや定年の定めの廃止等を実施した事業主の方等への助成金

2016年4月21日(木) 

 厚生労働省は、意欲のある高齢者が働きやすいように定年退職の年齢引き上げを企業に促すため、定年を70歳以上に引き上げないと助成金を出さない制度を改め、4月から支給基準を「66歳以上」に広げて使いやすくしました。
 これを機に、現在実質的に企業に義務付けられている65歳までの継続雇用の年齢のさらなる引き上げも視野に入ってきそうです。

定年の引上げや定年の定めの廃止等を実施した 事業主の方等への助成金 ↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/kounenrei-koyou/dl/01.pdf

「労務管理」の最重要因子は「労働時間」

2016年3月23日(水)

 「サービス残業」で是正指導を受け、2014年度に企業が未払いの残業代を支給した従業員は20万人超となり、過去最多だったことが厚生労働省の集計で分かった。との報道がありましたが、労務管理の最大のポイントは労働時間管理であると私は考えています。

 「労務管理」とは何か?を一言で言えば、それは、ずばり「人の動かし方」と言えます。すなわちマネージメントそのものと言っても過言ではありません。会社組織は人がいなければ機能しません。つまり会社組織を機能させることはすなわち人を動かすことであり、つまるところ「労務管理」なのです。

 それでは、「労務管理」の基礎となるものはなんでしょうか?  

 それは、「労働条件」です。「労働条件」とは、使用者(事業主)と労働者(従業員)との間の決めごとであるところの「労働契約」の前提となるもので、「労働条件」が明確になって初めて「労働契約」が締結されます。
 このように、「労働条件」は、労働契約の具体的な内容であるわけですから、その内容は多岐にわたっており、また、重要なものばかりです。

 それでは、その「労働条件」の中でも、特に大切なものはなんでしょうか?

 それは、「業務(職務)内容」、「労働時間」、そして「賃金」の三つに他なりません。
 つまり、使用者(事業主)から見れば、何の仕事をしてもらって、どれだけ働いてもらって、いくら払うのか、労働者(従業員)から見れば、何をして、どれだけ働いて、いくらもらえるのか、ということです。そして、業務(職務)内容は、いわば基本的な賃金の決定要因であり、賃金が月給であっても、日給であっても、あるいは時給であっても、基本的な賃金は仕事の内容によって決定されますので、日々の労務管理における最重要労働条件は、「労働時間」なのです。

 昨今においては、いわゆるホワイトカラーエグゼンプション(労働時間規制適用免除制度)、すなわち「脱時間給制」の推進も積極的に進められようとしていますが、この制度の適用対象になる労働者(従業員)はごく一部であり、大多数の労働者(従業員)の労務管理においては、「労働時間」が、いぜんとして最重要因子であることに変わりはありません。

同一労働同一賃金

2016年2月18日(木)

 非正規雇用の待遇を改善するため、仕事の習熟度や技能といった「熟練度」を賃金に反映させるよう法改正する、との報道がありました。
 現行法では、企業が非正規と正社員との間に賃金格差を設ける場合、派遣労働者は特に定めがなく、パートタイムや有期雇用は「業務の内容」「責任の程度」「配置の変更の範囲」などを考慮するとしていますが、習熟度や技能、勤続年数といった非正規の「熟練度」を賃金に反映するしくみはないため、非正規の仕事が正社員と同じであれば、同じ賃金水準にする「同一労働同一賃金」の実現を目的としています。
 報道によれば、「法改正では、経営者が賃金を定める際、熟練度の考慮を義務づける規定をそれぞれの法律(パートタイム労働法、労働契約法、派遣社員の待遇に関する新法)に設け、「熟練度」を明記することで、なぜ非正規が正規よりも賃金が低いのか企業に事実上の説明責任を課す。」としており、「パートタイマーだから賃金は低い。」という姿勢に対しては、これまで以上に強く「NO」をつきつけるということになりましょう。

 何故日本では、「同一労働同一賃金」が難しいのか?ということについて、アメリカ在住で、教員、作家などとして知られる冷泉彰彦氏は、「正社員、非正規社員というのは日本においてはいわば身分制度のようなもので、そもそも正社員の仕事と非正規社員の仕事は違うからである。」といった意味合いのことをコラムで述べていました。
(http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2014/12/post-699.php)
 確かに日本においては、正社員だからこの仕事をやらなくてはならない、あるいは正社員ではないからこの仕事はできない、だから賃金は違う、という暗黙の前提があったと思います。
 にもかかわらず、実質的には非正規社員が正社員と同等の仕事をこなしている場合が多々あるけれど、もともとの暗黙の前提はずっと以前からインプットされてしまっているために、いわば一種のパラドックスに陥ってしまっている、と見ることができましょう。
 頭を切り替えるにはかなり時間を要するかもしれませんが、これもまた待ったなしの対応を求められる課題のひとつと言えます。

多様な雇用形態への対応

2016年1月22日(金)

 以下は、2016年1月6日付厚労省人事労務マガジンの見出しです。 

 ◆今年も「STOP!転倒災害プロジェクト」を実施します
 ◆パートタイム労働者活躍推進企業表彰式典
 「パートタイム労働者が活躍できる職場づくりシンポジウム」を開催します
 ◆パートタイム労働者雇用管理改善セミナー(活用編)
 「事例に学ぶ パートタイム労働者の人材マネジメント」を全国9カ所で開催します
 ◆パートタイム労働者キャリアアップ支援セミナー
 「今後のキャリアを考える~”私らしく”働くために~」を6会場で開催します
 ◆シンポジウム
 「非正規雇用労働者のキャリアアップを考える」を全国で開催します
 ◆女性活躍推進法に基づく認定マークを決定しました
 ◆「看護職への短時間正社員制度導入支援セミナー」を開催します
 ◆「平成27年度生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」を1月28日に開催します
 ◆ストレスチェック制度解説セミナー開催します!
 ◆労働行政分野の支援や制度に関するアンケートにご協力ください
 ◆中央労働委員会「労使関係セミナー」(関東地区・第3回)のご案内
 ◆現在の雇用失業情勢

 パートタイマーなどの非正規雇用を中心とした、多様な雇用形態への対応を趣旨とするものが目立ちます。雇用形態が多様化すれば、労使関係も多様化し、労務管理もまた多様化することになります。

 実際に、従来通りの画一的な労務管理では対応できない事象が既に多々表面化してきており、労務管理の中でも特に重要である労働時間管理においても、抜本的な見直しを迫られる場面が多く見られます。

 最低賃金は1000円を目標とすることが明言され、社会保険の適用もよりすそ野を広げつつあります。労働時間管理が労務管理を制すると言っても過言ではないでしょう。


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130万円の壁から106万円の壁へ

2015年12月18日(金)

 先日、「パート就労拡大へ企業に補助金」との新聞報道がありました。記事を一部抜粋します。「政府はパートで働く主婦などが労働時間を増やすための支援をする。就労時間の延長と賃上げを条件に企業に補助金を配り、社会保険料の負担を和らげる。対象は20万人程度のパート労働者になる見通し。社会保険料負担を懸念して働く時間を減らす動きを抑え、人手不足の緩和につなげたい考え。」

 これは、来年10月から従業員501人以上の企業で、健康保険・厚生年金保険の加入の目安となる年収要件が130万円から106万円に下がることを受けての対策です。

 この対策は、2016年4月から19年度までの4年間実施され、その内容は、(1)大企業で2%、中小企業で3%以上の賃上げ、(2)パート労働者が働く時間を週5時間以上延長などを条件として、労働時間の拡大に対してパート労働者1人あたり20万円、賃上げ率に応じて2万円以上の補助金を支給する、というものです。

 いわゆる130万円の壁の引き下げは、今回は従業員501人以上の企業が対象ですが、いずれはすそ野を広げ、より広くやや浅く社会保険料を徴収することになっていく可能性は極めて高いと思われます。今後の動きに注目しておきたいところです。

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リスク分担型確定給付企業年金

2015年12月18日(金)

 確定給付年金と確定拠出年金の中間に位置づけられるような年金制度を、来年度から企業が導入できるようにすべく、準備が進められていると報じられました。新型企業年金の名称は、「リスク分担型確定給付企業年金」で、企業による掛け金の前倒し積み立ての解禁と、積立金の水準に応じた給付額の変動を認める点が特徴であるとのことです。

  現在確定給付型の年金制度を導入している企業は減少し、その分確定拠出型を取り入れる企業が増えているようですが、加入者が制度の内容をきちんと理解しているとは言い難いのが現実と言えましょう。確定拠出型の場合、運用の結果損失が生ずるリスクは個人が負うことになるので、多くの加入者が定期預金などの元本保証タイプを選んでおり、運用というよりはタンス預金に近い状態になっています。

  新しいタイプの企業年金を導入するにしても、まずは利用者がしっかりと制度の内容を理解できるような体制を整えることが大切でしょう。


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正社員と非正社員

2015年11月20日(金)

 厚生労働省が11月4日に発表した2014年の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、パートや派遣などの非正社員が労働者にしめる割合が初めて4割に達したそうです。

 厚生労働省によると、この調査は、正社員及び正社員以外の労働者のそれぞれの就業形態について、事業所側、労働者側の双方から意識面を含めて把握することで、多様な就業形態に関する諸問題に的確に対応した雇用政策の推進等に資することを目的としており、その時々の雇用情勢に応じ、毎年テーマ(対象)を替えて実施している雇用の構造に関する実態調査として、昭和62年に最初の調査を実施し、その後、不定期に(平成6年、平成11年、平成15年、平成19年、平成22年、平成26年)実施しているとのことですが、この30年弱の間に雇用形態は大きく様変わりしており、正社員、非正社員、という分類の仕方そのものの見なおしも必要かもしれません。


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変わらぬ自分 変わる立場

2015年11月15日(日)

先日の日経新聞の夕刊の記事ですが、「人はある日突然、一瞬で支えられる側にもなる」という言葉が心に残りました。

共生社会とは何か 村木厚子さんに聞く
変わらぬ自分、変わる立場 「選手交代」は一寸先
2015/11/14付日本経済新聞 夕刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO93967870T11C15A1NNP000/

人はある日突然、一瞬で支えられる側にもなる

 村木厚子さん(59)ほど、本人が望んだわけでもないのに国家権力の非情有情を味わった人は少ない。ある日、うそ、虚構をもとに「郵便不正事件」で逮捕され、不条理きわまりない立場に立たされる。疑いが雲散霧消すると、一転して筋を曲げなかった姿が尊敬を集め、国家予算の3割、30兆円を扱う厚生労働事務次官を任される。怒とうのような日々の中で、村木さんは「支えること・支えられること」を深く考え抜いていた。

 「裁判で無罪が確定し、1年3カ月の起訴休職が明けて与えられたのは、内閣府の共生社会担当政策統括官の仕事でした。部下の参事官には、子ども政策や自殺対策など個別テーマがありますが、私にはありません。頭で共生社会とは何なのだろうと考え始めた時、拘置所での体験が浮かび『こういうことか』と思い当たりました」

 「拘置所では、家族と話すにしても裁判を戦うにしても、誰かの力を借りねばなりません。昨日までは厚労省の一員として自分は人を支える側だと思っていたのに、一瞬にして、一晩にして、弁護士など誰かの力に頼らねば何もできなくなったのです。自分にもそういう時が訪れる。人には支える側と支えられる側がいるという考え方は間違いで、いつでも選手交代になる。しかもある日突然そうなるということを知りました」

 「私は収監中、自分に『自分は変わったのか』と『自分は失ったのか』の2つの質問をしました。最初の質問の答えはノーです。今回のことは周りが間違っている。2番目については、失ったものはあるだろうけど支援者もたくさんいる。私はこんなにも持っていたんだ、というのが答えです。この自問自答はものすごく支えになりました。自分は変わらなくても、あるときは助けられる立場になる。それが共生社会なのだ、と腹の底から実感できたのです」

 「無実でも裁判の勝敗は不明です。不安の中で自分を保てたのは、考えても仕方がないことは横に置いておく知恵があったからです。同じことが頭の中でぐるぐる回らないようにしたのです。これは子育てをしながら共働きしてきた経験によるもの。仕事が忙しい時、急に子どもが保育園で熱を出して呼び出されるなどの事態は次々に起きました。そんな時、今やれること、明日できること、他の人がいればできることに分類し、紙に書いて考えました。まず今できることに手をつけると落ち着くことを、知っていたのです」

公務員の仕事は、国民のニーズをくみ取る「翻訳家」

 内閣府から厚労省に戻り、社会・援護局長として生活困窮者自立支援法の実現に力を尽くす。そして事務次官に。この間、法制審議会特別部会で取り調べの可視化の必要性などを説いた。厚労省という巨大組織を動かしながら、検察機構という巨大権力の改革にも力を貸した。

 「事件のあと、検事総長経験者など何人もの検察庁幹部だった人に『ありがとうございます』と言われました。その意味は、私の経験したようなことがないと、検察は変われなかったということです。法改正で、可視化などの仕組みは実現できそうですが、検察の変革には、法改正に加えて、国民とマスコミの監視が不可欠です。ただマスコミはときに、検察のストーリーを広める役割を果たしてきました。マスコミが変わる仕組みはあるのでしょうか」

 「検察官の調べで腹が立ったのは、検察官は私が部下や障害者団体に対する悪口を話したかのように、調書を自分のストーリーに沿って書いていたことです。別人格の調書なので署名できないと強く抗議し、書き直してもらいました。怒りから泣いたのは、検事に『有罪でも執行猶予がつけば大したことではない』と言われたときです。入省以来、ずっと公務員として信用を大事にして仕事をしてきたのです。執行猶予がつけば大したことがないという考え方はありえない。『そんな普通の感覚が分からないのは職業病です』と反論しました」

 「私は、学生の時先生から聞いた『公務員は翻訳家である』との言葉に心を引かれています。国民のニーズを制度や法律に置き換える翻訳こそ、公務員の仕事という意味です。ニーズを感じ取る感性、そして解決する企画力が重要だと若い人には言っています。最近は説明力も必要と思っています。いくら良い制度をつくっても、わかってもらえなければ使われないからです。とはいえ、パーフェクトな制度はつくれないものです。ニーズがあっても救われない人が出てくる。どこかで無視してしまうことになる。これを『仕方ない』と職業的に割り切ってしまうことは、ものすごく危ないと思っています。仕方がないというマイナスの巨大化こそ、組織にとって最も始末に負えないことです」

 「もちろん自分が(生活困窮者自立支援法などの)法制度をつくった時にも調整や妥協はありました。復職後は、そんな場合でも柔軟に物事の整理ができるようになりました。これは先に述べた『支えること・支えられること』を、お互いさまと考えるようになった経験が生きたのだと思っています」

(シニア・エディター 礒哲司)

 むらき・あつこ 1955年高知県生まれ。高知大学文理学部卒、78年旧労働省入省。99年女性政策課長、旧厚生省と統合後の2003年に障害保健福祉部企画課長。08年に就いた雇用均等・児童家庭局長時代に、郵便不正事件で逮捕され、164日間勾留されるが、10年無罪確定。13年厚生労働事務次官。15年10月に退任。


法令から見たいまどきの就業規則のポイント

2015年10月14日(木)

 企業をとりまく環境はめまぐるしく変化しており、また、労働関係の法令も頻繁に改正が行われます。企業においては、そのような変化に対応するために、法改正等にあわせて、労務管理のためのルールブックでもある就業規則を常にアップ・デイトしておく必要があります。

 法令から見た今どきの就業規則のチェック・ポイントは次の3点になると考えられます。

 (1) 子育て(および介護)支援 (関係法令等;育児介護休業法等)
 (2) 高年齢者の雇用確保 (関係法令等;高年齢者雇用安定法等)
 (3) 非正規社員の雇用安定 (関係法令等;労働契約法、パートタイム労働法等)

1)少子高齢化対策の一環として、平成21年度に育児介護休業法の大改正が実施され、平成22年年度より順次施行されていますが、改正の柱となるのは、①「子育て期間中の働き方の見直し」と「父親も子育てができる働き方の実現」、の2本でしょう。は、短時間勤務、所定外労働の免除といった、休業以外の子育て支援制度で、働きながら子育てができるような環境整備を目指していると言えます。は父親の育児休業取得率を上げることによって、両親ともに子育てに積極的に参加できるようにしていこうとするものです。改正された育児介護休業制度の内容は複雑かつ多岐にわたっており、「育児介護休業等規則」などとして、就業規則本則とは別規定として独立させている企業が多いようです。

2)高年齢者雇用安定法も大改正が行われ、平成24年に経過措置等が全て廃止され、全面的に施行されています。最大のポイントは、企業に、従業員の65歳までの雇用を実質的に義務づけた点です。定年年齢は従来どおり60歳までとしてもかまいませんが、本人が希望すれば、65歳まで雇用を継続できるような制度にしなければなりません。法律条文上は、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止、の3つの選択肢がありますが、ほとんどの企業が、の継続雇用制度の導入を選択しています。その理由としては、定年後の継続雇用(再雇用)の際には、労働時間、賃金といった、それまでの労働条件を見直すことが可能であることが挙げられます。を選択する場合は、どのような条件で継続雇用(再雇用)するのかを、就業規則にしっかり規定しておく必要があります。「定年後再雇用規定」などとして就業規則本則とは別に定めることも可能です。

3)非正規社員の雇用安定に関しては、平成24年から施行されている、改正労働契約法の無期転換ルールが最も重要です。これは、「同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換する。」というものです。就業規則を整備し、雇用契約期間についてもきちっと定めておく必要があります。本年4月より施行されている改正パートタイム労働法に定められた、「短時間労働者の均等・均衡待遇の確保」も重要です。これは、いわゆる正社員と仕事の内容が変わらない(同等な)パートタイマーの待遇には、パートタイマーであることを理由として正社員と差をつけてはならない、というものです。そのため、就業規則においては、パートタイマーの職務基準、責任区分等を明確にしておく必要があります。

 この他にも、9月末に改正施行された、「労働者派遣法」も、関係する企業にとっては極めて重要な事項が多く、早急な対応が必要でしょう。

 また、労働関係の法令ではありませんが、10月からいよいよ個人番号の通知が始まった、「マイナンバー法」に関しても、番号の使用目的等、就業規則に規定すべき内容を多く含んでいます。


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マイナンバー制導入にあたって④

2015年9月25日(金)

(1)マイナンバー法の特定個人情報に関する保護措置の概要 

 個人番号は、社会保障、税及び災害対策の分野において、個人情報を複数の機関の間で紐付けるものであり、住民票を有する全ての者に一人一番号で重複のないように、住民票コードを変換して得られる番号です。従って、個人番号が悪用され、又は漏えいした場合、個人情報の不正な追跡・突合が行われ、個人の権利利益の侵害を招きかねません。そこで、番号法においては、特定個人情報について、個人情報保護法よりも厳格な各種の保護措置を設けています。

  この保護措置は、①特定個人情報の利用制限、②特定個人情報の安全管理措置等及び③特定個人情報の提供制限等の三つに大別されます。

① 特定個人情報の利用制限 

 マイナンバー法においては、個人番号を利用することができる範囲を、社会保障税及び災害対策に関する特定の事務に限定しています。また、本来の利用目的を超えて例外的に 特定個人情報を利用することができる範囲について、個人情報保護法における個人情報の利用の場合よりも限定的に定めています。さらに、必要な範囲を超えた特定個人情報ファイルの作成を禁止しています。

② 特定個人情報の安全管理措置等 

 個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対して、個人データに関する安全管理措置を講ずることとし、従業者の監督義務及び委託先の監督義務を課しています。マイナンバー法においては、これらに加え、全ての事業者に対して、個人番号について安全管理措置を講ずることとされており、また、個人番号関係事務又は個人番号利用事務を再委託する場合には委託者による再委託の許諾を要件とします。

③ 特定個人情報の提供制限等 

 個人情報保護法は、個人情報取扱事業者に対し、個人データについて、法令の規定に基づく場合等を除くほか、本人の同意を得ないで、第三者に提供することを認めていません。マイナンバー法においては、特定個人情報の提供について、個人番号の利用制限と同様に、個人情報保護法における個人情報の提供の場合よりも限定的に定めています。また、何人も、特定個人情報の提供を受けることが認められている場合を除き、他人(自己と同一の世帯に属する者以外の者)に対し、個人番号の提供を求めることはできません。さらに、特定個人情報の収集又は保管についても同様の制限を定めています。 

※なお、本人から個人番号の提供を受ける場合には、本人確認を義務付けています。

(2)特定個人情報保護委員会による監視・監督 

 特定個人情報保護委員会(以下「委員会」)は、特定個人情報の取扱いに関する監視・監督を行うため、次に掲げる権限を有しています。 

① 個人番号関係事務実施者又は個人番号利用事務実施者に対し、特定個人情報の取扱いに関し、必要な指導及び助言をすることができます。この場合において、特定個人情報の適正な取扱いを確保するために必要があると認めるときは、当該特定個人情報と共に管理されている特定個人情報以外の個人情報の取扱いに関し、併せて指導及び助言をすることができます。 

② 特定個人情報の取扱いに関して法令違反行為が行われた場合において、その適正な取扱いの確保のために必要があると認めるときには、当該違反行為をした者に対し、期限を定めて、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を勧告することができます。 

③ 勧告を受けた者が正当な理由なく勧告に係る措置をとらなかったときには、その者に対し、期限を定めて、勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができます。 

④ さらに、特定個人情報の取扱いに関して法令違反行為が行われた場合において、個人の重大な権利利益を害する事実があるため緊急に措置をとる必要があると認めるときは、当該違反行為をした者に対し、期限を定めて、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を命ずることができます。 

⑤ 特定個人情報を取り扱う者その他の関係者に対し、特定個人情報の取扱いに関し、必要な報告若しくは資料の提出を求めること又は立入検査を行うことができます。

(3)罰則の強化 

 個人情報保護法における個人情報取扱事業者に対する罰則の適用は、主務大臣からの是正命令に違反した場合、虚偽報告を行った場合等に限られていまが、マイナンバー法においては、類似の刑の上限が引き上げられているほか、正当な理由なく特定個人情報ファイルを提供したとき、不正な利益を図る目的で個人番号を提供、盗用したとき、人を欺く等して個人番号を取得したときの罰則を新設する等罰則が強化されています。 


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「最低賃金上げに期待と懸念」と「雇用保険料下げ議論」

2015年8月24日(月)

 最低賃金審議会による最低賃金引き上げに関する答申が出そろい、平成27年度の地域別最低賃金は、全国平均で18円の引き上げ(798円)となり、最低賃金が現在の方式となって以来最大の引き上げ幅となる見込みです。

 8月13日付日本経済新聞より:「円安に伴う物価の上昇や今春の正社員の賃上げを受け、全府県とも引き上げ額は昨年の実績を上回った。パートやアルバイトの所得増加による消費の喚起に期待が高まる半面、経営の先行きが不透明な状況での人件費上昇を懸念する声も根強い。…(中略)…今後は各府県の答申に対する異議申し出などの手続きを経て、10月に最低賃金が引き上げられる見通しだ。」

 最低賃金の引き上げで、個人所得の増加による消費喚起の効果が期待できますが、企業にとっては人件費の純増となり、また、人材確保が困難になるという見方もあります。

 「厚生労働省が、雇用保険料の引き下げに向けた議論を始めた。」という報道がありました。具体的には、「失業給付に当てる保険料を0.2ポイント下げ、0.8%にする方向。」との内容で、同時に、失業給付の減による積立金の増を踏まえ、給付の引き上げも検討するようです。

 雇用保険法では、保険料の下限は1%と定められており、保険料を引き下げるためには法改正が必要になりますが、労働政策審議会の雇用保険部会は2016年度からの引き下げを目指しているとされています。実施されれば労使共に負担が軽減されることになり、加えて雇用保険制度のセイフティネットとしての充実度合いも増すことから、双方にとって吉報と言えましょう。

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中年フリーター、歯止めかからず273万人に

2015年8月4日(火)

雇用形態は多様化しているにもかかわらず、雇用環境はあまり変わっていないということでしょうか。


中年フリーター:氷河期の非正社員ら、歯止めかからず273万人に
毎日新聞 2015年08月04日
http://mainichi.jp/feature/news/20150804mog00m040007000c.html 

 日本の非正規雇用労働者の数は、1990年代前半のバブル崩壊後に経済が長期停滞した「失われた20年」の間に右肩上がりに増加し、その数は2015年1〜3月期平均で1979万人と、労働者全体の37.7%に達している。ここ数年は景気が比較的安定し採用環境も改善していることなどから、34歳までのいわゆる「若年フリーター」はピークの03年からは減少している。だが、90年代後半からの「就職氷河期」に直撃された世代を含む35歳以上の「中年フリーター」については増加に歯止めがかかっていない。年金・保険などセーフティーネットの強化や正社員への転換を後押しする制度作りなどに社会全体で取り組む姿勢が求められている。

 現在、「中年フリーター」はどのくらい存在するのか。政府の明確なデータが存在しないため、その定義を「35〜54歳の非正規の職員・従業員(女性は既婚者を除く)」とし、雇用問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の尾畠未輝研究員に試算してもらった。

 それによると、中年フリーターの数は90年代は130万人台で安定していたが、バブル崩壊から約10年が経過した2000年代に入ってから目立って増え始め、15年には273万人に達している。

 非正規雇用は以前は主婦パートが中心だったが、その後、グローバル競争への対応を求められるようになった企業の雇用手法の変化などを背景に、世帯の主要な稼ぎ手であっても契約社員や派遣社員として働く人が増えていった。

 「新卒一括採用」が今なお企業の主体である日本では、就職時に派遣社員などの形で非正社員として採用されると、中途で正社員に転換することはなかなか難しい。これが、非正規労働を継続させる理由となり、就職氷河期のフリーター層が年をとり、「中年」の年代にさしかかっている。

 尾畠氏は、非正規問題への対応について「賃金を一律に上げるのではなく、それぞれの仕事に見合った対価を支払う必要がある。景気が悪くなったら突然クビを切るような不安定さには問題がある」と指摘。中年フリーターについては「長期的に同じ仕事を続けてきたなら、その技術を生かせるマッチングの機会を増やすなどの対応ができると思う。また、労働者側の意欲も大事だ」と指摘した。

 就職氷河期にフリーターとなった経験を原点に作家活動をしている雨宮処凛さんは、毎日新聞のインタビューに「(非正規雇用労働者の問題に)どこかに決着の地点があると思ったけれど、10年たってもまったくない。10年前は若者の貧困だったけど、今はもう若者じゃない。中年になっていて、それがどんどん初老になり、高齢者になっていく」と強い危機感を語った。【尾村洋介/デジタル報道センター】


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最低賃金、平均18円上げ 過去最大

2015年7月29日(水)

東京では900円を超える見込みということになります。

最低賃金、平均18円上げ 過去最大、景気を反映 各地で16~19円
産経ニュース  2015.7.29 08:16
http://www.sankei.com/economy/news/150729/ecn1507290007-n1.html

 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は29日、平成27年度の地域別最低賃金の改定について全国平均の時給で18円引き上げ798円とする目安をまとめた。目安通り引き上げられれば、26年度の16円増を2円上回り、14年度に現在の方式になって以来、最大の引き上げ幅となる。

 景気の回復傾向に加え、安倍政権が大幅な引き上げに意欲的なことが影響した。2桁の引き上げは4年連続。

 最低賃金は都道府県ごとに決められ、小委員会が示した各地の上げ幅の目安は16~19円。

 最低賃金は全ての働く人が企業から受け取る賃金の下限額で、パートやアルバイトら非正規労働者の時給に影響する。

 労使代表らが参加する小委員会は28日午後から目安とりまとめに向けた審議を開始。徹夜の協議の結果、都道府県を経済規模などに応じてA~Dの4ランクに分類して示す引き上げ額の目安は、東京などのAは19円、静岡などBは18円、岡山などCと青森などDはともに16円となった。

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第3の企業年金創設

2015年7月23日(木)

制度の内容を加入者に分かりやすく説明することが重要だと思います。

第3の企業年金創設 会社単位で運用、給付は変動 16年度にも

2015/7/23 2:01日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS22H24_S5A720C1MM8000/

 厚生労働省は2016年度にも企業が運用し、運用次第で加入者への年金給付額が変わる新しい企業年金制度を創設する。現在、企業年金は2種類あるが、加入者に給付額を約束する確定給付型は企業の負担が重く、加入者が自分で運用する確定拠出型は個人のリスクが大きい。双方の特徴を併せ持つ第3の制度を設け、企業年金の普及を促す。

 厚労省が制度設計の検討に入った。金融庁など関係省庁と調整し、今秋に全体像を示す。企業年金の関連政令を改正し、早ければ16年度に企業が導入できるようにする。

 日本の年金制度は全国民が対象の公的年金と私的年金から成り、企業年金は企業が従業員のために設ける私的年金だ。現在は確定給付型と確定拠出型の2種類ある。

 確定給付型は企業が掛け金を運用し、加入者に約束した運用利回りに届かなければ企業は資金を追加拠出する義務がある。財務負担が大き過ぎるため、制度をやめる企業が増えている。

 企業負担を和らげるため01年に加入者が自分で運用し、運用次第で年金額が変わる確定拠出型を導入した。確定拠出型の導入企業は15年に2万社を超えたが、加入者のリスクは確定給付型より大きいため制度導入で労使が合意しにくい。導入した場合でも加入者は運用に及び腰のため選ぶのは預金などに偏り、運用利回りが0~2%以下と低いケースが多い。

 そこで確定給付型と確定拠出型の特徴を併せ持つ第3の企業年金を創設する。確定給付型のように運用は企業が行う半面、年金額は確定拠出型のように変動する。

 企業は掛け金を現在より多く出し、運用方法は労使で決める。加入者が各自で運用する確定拠出型とは違い、企業が加入者全員分の資金をまとめて運用する。企業が当初出す掛け金は増えるものの、運用が不調でも追加拠出する必要はない。積立金が減れば、受給者を含めて年金給付を減らす。加入者は給付が変動するリスクを引き受けるが、自分で運用する必要はない。

 厚労省が参考にするのはオランダの「集団型確定拠出年金」と呼ぶ制度だ。年金給付に必要な額より5%以上多く企業が掛け金を積み立てるよう義務付けている。例えば、給付に必要な額が年100億円なら、企業は105億円以上を出さなければならない。厚労省も数%を軸に上積み幅を検討する。

 勤め先で企業年金に加入する人は14年3月時点で約1700万人。会社員の4割強にとどまっている。従業員100人未満の中小企業では企業年金の普及率が2割以下だ。加えて、中小企業が多い確定給付型の厚生年金基金は廃止が相次ぐ。新制度が受け皿の一つになる可能性がある。

精神疾患で労災認定、過去最多に

2015年7月21日(火)

 長時間労働などで過労死したり体調を崩したりして昨年度、過労による労災と認められた人のうち、うつ病などの精神疾患を発症した人は497人(前年度比61人増)に上り、過去最多を更新したことが、厚生労働省の集計で分かりました。

 注目すべきは、精神疾患で労災認定された人の(精神疾患の)発症原因で、以下のとおりです。

・「悲惨な事故や災害の体験・目撃」(72人)

・「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」(69人)

・「月80時間以上の時間外労働を行った」(55人)

・「仕事の内容・量に大きな変化があった」(50人)…

 中でも「嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた(いわゆるパワハラ)」は、(労災としての)認定決定件数は69件ですが、26年度内に業務上又は業務外の決定を行った件数は169件にのぼっており、精神疾患の原因はパワハラであると認識していた人が多かったことが読み取れます。

 以前にも本事務所だよりで何回か取り上げたことがありますが、パワハラに関しては、当事者がそうである(パワハラである)と認識していない場合が多いと思われますので、注意が必要です。

 また、「月80時間以上の時間外労働を行った」(55人)も重要な項目です。長時間労働と精神疾患の因果関係については、以前より指摘されているところであり、労働時間の管理は経営(人件費等)の観点からも、労災予防の観点からも、労務管理における最重点課題の一つと言えましょう。

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年金減額で訴訟、国にも弱み

2015年7月20日(月)


既得権益の保護といかに折り合いをつけるかがこの問題の最も難しいところでしょうか。


年金減額で訴訟、国にも弱み 給付額少ない人どう守る
 
本社コラムニスト 平田育夫
2015/7/20付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO89497900Y5A710C1TCR000/

  厚生年金や国民年金の減額を取り消すよう国に求める訴訟が相次いでいる。  寿命が延び、少子化が進んで、今や年金は「百年安心」と言えない。給付を減らさないと制度が持たず現役世代や後世代にツケが回る。だから減額はやむを得ないのだが、実は訴えられた国にも弱みがある。  月5万円以下といった少ない年金を、20万円以上など多めの年金と同率で減らすのは酷な話。低年金の人を守れる制度に改めないと必要な給付減額を滞らせることにもなりかねない。  訴えたのは全労連傘下の全国年金者組合に加入する年金受給者ら。26都道府県の地裁に提訴、最終的には45都道府県で約3500人の訴訟になるという。  彼らは2種類の減額を問題にする。一つは払いすぎの解消。給付額は物価と連動する建前だが、物価下落でも据え置いた期間があり本来の水準より2.5%高くなった。政府はこの分を2年前から段階的に解消した。訴えでは2年前の1%減額分の撤回を求めた。  だが訴訟の“本丸”はもう一つのほう。寿命の延びと働き手の減少に対応して給付の伸びを物価上昇率より0.9%低く抑える実質的な減額だ。「マクロ経済スライド」と呼ぶ年金の持続性向上策で、今年4月から開始した。今後30年近く続き、減額幅が約3割になる可能性がある。  訴状では減額取り消しを求める理由を様々あげているが、特に強調するのは低年金者への打撃だ。  国民年金(基礎年金)だけの人の平均受給額は月5万円で単身者には不十分。少ない年金の減額は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」をうたう憲法25条に反する――と。  なるほど。だが原告のうち国民年金だけの人は数%だ。あとの九十数%は厚生年金や共済年金の受給者。給付額が多めの彼らが自らも減額を免れるため「低年金者への打撃」をだしに使うのならいただけない。  厚生年金の平均受給額は月約14.5万円。これは加入者本人の基礎年金と報酬比例年金で、それに配偶者の基礎年金を加えると20万円近い。少し減らしても生存権は守れる。むしろ年金財政の実態からは給付が多すぎる人が大半だ。  受給者の増加と保険料を納める人の減少で年金の台所は逼迫。厚生年金の積立金は二十数年後に底をつく恐れがある。国費には頼れないし保険料引き上げもほぼ限界。今の高齢者を含め年約1%ずつ実質給付を減らすマクロ経済スライドを進めるしかない。それが遅れると後の世代は減額幅が大きくなり大打撃を被る。  ただし月五万円未満などの少ない年金も減らすべきかは別問題だ。消費増税に伴い低年金者には最大月5千円の支援金を出すが、十分とは言えない。低年金の人は生活保護で補ってもらえるが「資産がないことが原則」などハードルは高い。また国にとっては、税金で賄う生活保護が膨らめば財政がさらに悪化する。  年金の制度を改めて最低限の金額を保証できれば、それが一番。なにより、年金減額反対の運動に「低年金者の保護」という口実を与えないために必要だ。  外国は収入の少ない高齢者をどう守っているのか。スウェーデンは保険料を財源にした所得比例年金を中心とし、この年金が少ない人に限り税金で加算する。同国の年金庁に聞くと、所得比例年金がゼロの場合でも、単身者で最大月11.4万円受け取れるという。  カナダの年金は全額を税金で賄う、いわば基礎年金があり、その上に保険料による所得比例年金が乗る。政府は高所得者からこの“基礎年金”の一部または全部を返還させ、低年金者への加算に回す。  所得比例年金が出ない人でも単身者の場合で最大月12.7万円を受け取れる。  さて日本にはどんな制度がよいか。保険料の未納や払った期間が短いなどの理由で低年金や無年金になる人も救えるのは、基礎年金の全額(今は半額)を消費税で賄う方式。居住年数つまり消費税を払った年数に応じた金額を支給する。  日本経済新聞社は7年前の紙面で日本に40年住んだ人はだれでも65歳から月6.6万円受け取れる制度を提言した。基礎年金の保険料を廃止し代わりに消費税を5%引き上げる。この案を支持する専門家は多い。  税金の投入をあまり増やさずに低年金者を守るならカナダかスウェーデンのやり方が参考になる。安倍政権は所得が多い人の基礎年金を減らす方針。それで浮く税金を低年金者に回せばカナダ方式に似てくる。  しかし減額対象者の候補は年収850万円超の人で受給者のわずか0.9%。もっと年収の低い人も削減対象にしないと低年金の人に回す余裕は少ない。  一方、鈴木亘学習院大学教授の案はこうだ。基礎年金についてはマクロ経済スライドによる減額を停止する。さらに低年金を引き上げ、住宅を持つ人の場合で月6~7万円を保証する。そのため厚生年金の報酬比例部分は今の年0.9%より大幅な率で減らすほか、年金の支給開始年齢引き上げなどで財源を確保する。やり方は様々ありうる。  今回の訴訟で原告の主張が通るとは思えないが、これをきっかけに減額反対の機運が盛り上がるかもしれない。低年金の人を守りながら、それ以外の人への実質給付を着実に減らすため制度の手直しが急がれる。

妻の産後に休暇、男性の半数は取らず

2015年7月19日(日)

これは、色々な面からの検証が必要でしょう。


妻の産後に休暇、男性の半数は取らず 育休は4%  
2015/7/18 23:15
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG18H0E_Y5A710C1000000/

 妻の出産後、育児や妻のサポートのために休みを取ったことがない男性が50.4%に上ることが、NPO法人ファザーリング・ジャパン(東京)の調査で分かった。休みを取った場合も全体の45.6%は有給休暇などを使っており、育児休業だけの利用は4%だった。

 育休を取りにくい職場環境が背景にあるとみられる。安藤哲也代表理事は「昨年、育休の給付金支給率が引き上げられたこともあまり知られておらず、男性が育休を取る文化がまだ浸透していない。職場の風土改革が必要だ」と指摘している。

 調査は、妻の出産後に育休の代わりに取った有休などを「隠れ育休」として集計。取得した期間は1人目の子供の場合、3日以内が計71.6%で多くは短期間にとどまり、8日以上取った人は7.4%だった。

 育休を利用しやすい条件(複数回答可)では、「上司が必ずいつ取るか確認して、環境を整えてくれる」が59.1%と最多で、「人事部が確認してくれる」(42.8%)「産後8週間以内は昇進などにマイナスがない」(40%)が続いた。

 調査は6月、インターネットで実施。1歳半以下の子供がいる20歳以上の男性1030人から回答を得た。〔共同〕

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介護休業「分割取得可能に」

2015年7月11日(土)

実現すると、かなり使いやすい制度になるかもしれません。

介護休業「分割取得可能に」 厚労省研究会が提言
2015/7/10 19:25
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H5D_Q5A710C1EE8000/

 厚生労働省の研究会は10日、介護休業を分割して取得できるようにすることなどを盛り込んだ報告書の素案をまとめた。介護を抱える人が残業をしなくて済む制度の創設も求めた。

 最終報告は8月上旬をメドにとりまとめる。労働政策審議会での議論を経て、早ければ来年度通常国会に育児・介護休業法改正案を提出する。

 現行の介護休業は家族1人あたり原則1回のみ、最長93日間取得できる。ただ要介護から回復した家族が再び介護が必要な状態になった場合には介護休業を取れず、退職を迫られるケースも多い。このため短期間の休業を分割して複数回取れるようにルールを改め、介護を理由にした退職を防ぐ仕組みをつくる。

 育児をする労働者は会社に求めれば残業を免除される制度があるが、介護をする人は対象になっていない。新制度ではこの対象を広げ、介護を抱えながら働く人も早い時間に帰宅できるようにする。残業が免除されるようにして介護と仕事を両立できる環境をつくる。

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専門職種も雇い止め不安

2015年7月9日(木)

現場の混乱を極力なくすための施策も重要だと思われます。

専門職種も雇い止め不安 派遣法改正、期間3年に短縮へ
2015/7/9 1:30日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08H62_Y5A700C1CC1000/

 参院で8日に審議入りした労働者派遣法改正案に、派遣社員から戸惑いの声が出ている。派遣社員として同じ会社で無期限に働けた研究職や秘書など専門性のある26業務も、原則3年までしか働けなくなるからだ。政府は改正案に派遣社員の雇用安定策を盛り込み、待遇改善にも取り組むと理解を求める。国会審議を通じ、120万人以上の派遣社員たちの不安を払拭できるかが課題となる。

 「給料は上がらないけど、雇用が安定していたからこそがんばって働いてこられた」。神奈川県内の企業で研究職として働く女性(39)はこう話す。

 大手企業の研究所に派遣されて約3年。給与は月20万円前後と正社員とは開きがあるが、仕事内容が無期限で働ける専門業務に当たるため、職場には10年近く研究を続けている派遣社員もいる。

 改正法案では同じ職場で働けるのは原則として3年となり、雇い止めの懸念が広がる。女性は「別の研究機関に移れたとしても、この会社で身につけたノウハウはリセットされてしまう」と心配する。

 派遣社員は全国に約126万人いる。秘書、研究職、システムエンジニア(SE)といった専門性の高い26業務の派遣社員は約49万人で、現行制度では同じ職場で無期限で働けるが、改正案では派遣会社に無期雇用されないと3年以上は働けなくなる。

 秘書として働く東京都内の女性(40)は「派遣社員の立場がさらに弱くなるのではないか」と心配する。大手企業で秘書のキャリアを積み、正社員に負けない自信もある。「派遣先企業の正社員になれないなら、せめて派遣会社に無期雇用してもらいたいが、期待できるのか分からない」と不安は尽きない。

 国会審議で民主党などは「派遣社員の固定化を招く」と批判する。これに対し、政府側は「労働者の多様な働き方に対応できるようになる」と説明。参院本会議でも、安倍晋三首相は「派遣で働く方の待遇改善にしっかり取り組む」などと述べた。

 法案は衆院では可決されており今国会で成立する見通しだが、内容の周知も課題だ。専門業務のビルメンテナンスの40代男性は「法改正でどうなるのか、派遣会社からまったく知らされていない」と話す。都内のSEの女性(49)も「周囲の派遣社員に改正案の話をするときょとんとされる」という。

 労働法制に詳しい阿部正浩中央大教授(労働経済学)は「26の専門業務に就く派遣社員の不安は特に大きい。3年での雇い止めが相次がないように政策的支援が必要だ」と指摘。さらに「パートなどを含む非正規雇用全体の安定性を高めていくことが引き続き課題になる」としている。

企業年金の積み立て前倒し 解禁

2015年7月2日(木)


現在、確定給付型を導入している企業はどの程度あるのでしょう。 


企業年金の積み立て前倒し 解禁 確定給付型で厚労省検討 運用環境の悪化に備え

2015/7/2付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS01H8L_R00C15A7MM8000/

  厚生労働省は企業が確定給付年金を維持しやすいよう規制を緩める検討に入った。企業が翌年以降の掛け金を前もって積むことを解禁し、最大5割多く出せるようにする方針だ。今は決められた単年度の所要額しか拠出できない。景気の悪化時に積み立て不足が起きやすく、穴埋め負担の重さから確定給付年金をやめる企業が増えている。規制緩和で公的年金を補う私的年金を下支えする。  厚労省が今夏の税制改正で要望する。早ければ2016年度にも実施する方針だ。確定給付企業年金は、企業が従業員のため任意で用意する私的年金の一つ。企業が年2~5%程度の利回りで掛け金を運用すると約束し、年金を支給する。運用がうまくいかず積み立てが不足すると、企業が穴埋めしなければならない。制度を設けるのは大企業が多く、800万人弱が加入する。  企業は年金給付に必要な額を計算し、それに見合う掛け金を毎年積み立てている。年100億円必要なら、掛け金も年100億円になる。例えば運用不振などで掛け金の積み立てが20億円不足すると、企業は一定の年数をかけて穴埋めする。追加負担が重く、賃金や設備投資の抑制など企業活動に影響が出ていた。  厚労省の検討案では、将来の運用悪化に備え、景気が良い年に企業が必要額以上の掛け金を積むことを認める。例えば、必要な積立金が年100億円の場合、120億円を拠出できる仕組み。翌年に運用環境が悪化しても、積み立て不足が起きるリスクは小さくなる。  今は企業年金の運用益が膨らんだ結果、積立金が年金支給に必要な額を5割上回るのは容認している。この5割を上限に企業が前倒しで積める掛け金額を調整する。  企業が拠出する確定給付年金の掛け金は損金扱いで非課税となる。無制限に掛け金の前倒しで積み立てを認めると、企業が法人課税を逃れる狙いで剰余金を企業年金の積み立てに回す可能性もある。税逃れを招かないよう歯止めをかける。  今は財務負担が重くなるリスクを避けるため、確定給付年金をやめる企業が増えている。加入者が運用の責任を負う確定拠出年金に移行するケースが増え、導入企業は2万社を超えた。

雇用保険料、来年度下げ

2015年6月27日(土)

実施されれば過去最低水準とのことです。

雇用保険料、来年度下げ
4年ぶり、年収の0.8%軸に 失業率改善受け

2015/6/27付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS26H5U_W5A620C1MM8000/

 厚生労働省は雇用保険料を2016年度に4年ぶりに引き下げる検討に入った。失業給付に充てる保険料を0.2ポイント引き下げ、年収の0.8%とする方向で調整する。失業率の低下で15年3月末の積立金は過去最高の6兆円に上る見込みで、一部を還元する。労使の負担は年間約3200億円軽くなる。個人消費や企業業績の後押しにもなりそうだ。

 厚労相の諮問機関である労働政策審議会の雇用保険部会で今秋をめどに提案する方針だ。今の雇用保険法では失業給付分の保険料率の下限を1%と定めている。来年の通常国会で下限を引き下げる改正案を提出し、16年度の実施を目指す。

 失業手当の財源になる雇用保険(総合2面きょうのことば)は労使で折半する保険料と国庫負担が財源。現在の保険料率は年収の1%で、会社員は0.5%分を給料から天引きされている。雇用保険料には雇用安定や能力開発を目的とする政策を実施する雇用保険2事業に充てる部分(0.35%)もあるが、これは事業主だけが拠出している。

 労使が負担する保険料率が0.8%まで下がると、リーマン・ショックを受けた景気対策として緊急に引き下げた09年度以来となる。水準は過去最低だ。年収500万円の会社員が納める保険料は年5000円減る。企業は全体で約1600億円の負担減になる。

 企業業績の回復などで人手不足が強まり、今年5月の完全失業率は3.3%と18年ぶりの低水準になった。有効求人倍率も同月に1.19倍と23年2カ月ぶりの高水準だ。

 雇用保険の積立金は13年度末時点で6兆621億円。14年度は6兆円を割り込む予算を立てていたが、実際には6兆円台を維持し、過去最高になったもよう。厚労省は保険料率を引き下げても問題ないと判断した。

 経済界も過去最高水準の積立金を背景に保険料率の引き下げを要望してきたが、一段の引き下げを求める可能性もある。0.2ポイントの引き下げ効果は積立金残高の5%程度にとどまるためだ。

 一方、厚労省は雇用が悪化して失業給付が急増した場合には料率を上げるのは簡単ではないので、大幅な引き下げには慎重な立場。省内には16年度の引き下げ幅を0.1ポイントにとどめるべきとの意見もある。労働組合にも「積立金は失業手当の給付拡充にあてるべきだ」との主張があり、調整は難航する可能性もある。

 雇用保険の財源の一部になっている国庫負担の見直しも浮上する可能性がある。過去に料率を引き下げたときは国庫負担割合も同時に引き下げたことが多い。現状を維持したい厚労省と国庫負担の軽減を求める財務省で綱引きになりそうだ。

 雇用保険2事業の積立金は7000億円を超えているが、企業が負担する保険料は据え置く方向だ。成長分野への人材移動を後押しするなど雇用の構造問題に取り組むため、各種助成金の拡充を検討する。

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派遣法改正、成立へ

2015年6月20日(土)

めまぐるしく変わる同法ですが、これで落ち着くのでしょうか?


労働改革ようやく前進 派遣法改正、成立へ  
2015/6/20 1:16 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H41_Z10C15A6EA2000/

 企業が派遣社員を受け入れる期間の上限を事実上なくす労働者派遣法改正案が19日の衆院本会議で自民、公明両党と次世代の党の賛成多数で可決された。維新、共産両党は反対した。政府・与党は24日までの今国会会期を2カ月超延長する方針で、成立は確実だ。改正案は安倍政権が岩盤規制改革とみなす労働法制見直しの柱。過去2回の国会で廃案になったが、実現に向けて前進した。

 派遣法改正案は19日午前に衆院厚生労働委員会で可決。午後に衆院本会議に緊急上程された。改正案に反対の民主党は緊急上程に反発し、生活、社民両党とともに本会議の採決前に退席した。

 強行採決にはならなかった。野党で民主に次ぐ勢力の維新が、自公の国会運営に協力したからだ。維新は自公と共同修正した同一労働同一賃金推進法案の成立と引き換えに、派遣法改正案の採決に応じた。19日の衆院本会議では同一労働法案も自公と維新、次世代の賛成多数で可決された。

 労働法制見直しのもう一つの柱、労働基準法改正案は成立が見通せない。時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を盛り込んだ内容で、民主党などは「長時間労働を助長する」と反発している。

 政府・与党は野党の理解を得やすい法案の審議を優先する構え。衆院厚労委では社会福祉法人の経営改革を促す社会福祉法改正案や、病院の過剰なベッド(病床)の削減に向け病院統合を促す医療法改正案などが先に審議入りする見通しだ。

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遺族年金 男女差は合憲

2015年6月20日(土)


原告は上告する方針とのことですので、最高裁に持ち込まれることになります。
最高裁判決が注目が集まりますが、時の流れとともいずれは変化するのでしょうか。
 


遺族年金 男女差は合憲 妻亡くした夫、逆転敗訴 大阪高裁
2015/6/20 1:43 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H7U_Z10C15A6CC1000/  

 地方公務員の配偶者が亡くなった場合、妻は年齢を問わず遺族補償年金を受け取れるのに、夫は55歳以上でないと受給できない地方公務員災害補償法(地公災法)の規定は、「法の下の平等」を定めた憲法に反するかどうかが争われた訴訟の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。志田博文裁判長は「不合理な差別とはいえない」として一審の違憲判決を取り消し、合憲と判断した。  

 原告側は判決を不服として上告する方針。  

 同様の男女差の規定は国家公務員災害補償法や民間対象の労働者災害補償保険法にもある。一審と二審の判決が正反対の結論となり、規定のあり方について改めて論議を呼びそうだ。  

 判決などによると、1998年に公立中学教諭の妻(当時51)を亡くした堺市の男性(68)は、地方公務員災害補償基金に遺族補償年金の支給を申請した。しかし、妻の死亡時点で男性が「51歳」だったため、受給要件の55歳に達していないとして同基金は不支給処分とした。  

 判決はまず、地公災法に基づく遺族補償年金について「公務員の死亡により、独力で生計を維持することが難しい遺族の生活の保護が目的」と位置づけた。  

 その上で、女性を取り巻く社会情勢について、非正規雇用の割合が男性の3倍近いことや、賃金額が男性の約6割以下と低いことなどを指摘。「妻を亡くした夫が独力で生計を維持できなくなる可能性は、夫を亡くした妻よりも著しく低い」とし、「現在の社会情勢でも、夫のみに年齢の受給要件を設けることは不合理な差別とは言えない」と結論づけた。  

 2013年の一審・大阪地裁判決は、「配偶者の性別で受給権の有無を分けるような差別的取り扱いは合理性がなく、違憲」として基金側の不支給決定を取り消し、基金側が控訴していた。  地方公務員災害補償基金の話 判決の内容を精査しておらず、具体的なコメントは差し控えたい。

「同一賃金」は企業自身の手で

2015年6月19日(金)

 日本的な雇用制度の良い面と改善すべき点をよく見極める必要があるように思います。

2015/6/19 日本経済新聞 社説より
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO88259770Z10C15A6EA1000/

 仕事が同じなら、正社員か非正規社員かにかかわらず賃金を同じにする。そうした「同一労働、同一賃金」の実現に向けた法案を、自民、公明、維新の3党は今国会で成立させる考えだ。

 職務に応じて待遇を決めるという考え方はもっともだ。ただし、それには日本企業が、曖昧な面のある正社員の仕事の範囲を明確にすることが前提になる。法案は国が正社員と非正規社員の処遇制度の共通化を促すとしているが、政府の介入は混乱を招く。処遇改革はあくまで企業自身の役割だ。

 労働者派遣法改正案に反対する維新の党や民主党などは、対案として「同一労働同一賃金推進法案」を共同提出していた。与党は派遣法改正案の衆院委員会での採決に維新の協力を得る代わりに、同一労働同一賃金推進法案を修正のうえ成立させることにした。

 法案は、雇用形態による賃金の違いの実態を国が調査し、非正規社員が職務に応じて処遇されるよう施策を講じる、としている。

 「同一労働、同一賃金」は欧米で浸透している。日本でも、非正規社員の処遇改善につながる仕組みになるのは確かだろう。ただ、欧米の企業では仕事内容で賃金を決める職務給が確立している。

 対して日本の企業では一般に、正社員は雇用保障がある代わり職務範囲が一定せず、指示された仕事に柔軟に対応しなくてはならない。まずは企業による正社員の働き方の見直しが必要だ。問われるのは企業自身の実行力だ。

 維新、民主などの提出法案は派遣社員について、仕事が派遣先の正社員と同じなら待遇も均等にするとの規制を設けるとしていた。この点は与党と維新が修正し、責任の違いなどを考慮した「均衡」処遇も認めることにした。日本企業の実情に多少は配慮したわけだが、問題はなお大きい。

 正社員の職務の見直しが進まないまま規制を設ければ企業活動に支障が出かねない。先走った「同一労働、同一賃金」の制度化は害がある。法案は見直すべきだ。

労災受給者の解雇可能

2015年6月9日(火) 

大きな分岐点になりそうです。

労災受給者の解雇可能 最高裁判所初判断 打ち切り補償条件に
2015/6/9 0:45 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG08HCG_Y5A600C1CR8000/

 労災認定を受けて休職・療養中に解雇されたのは不当だとして、専修大の元職員の男性が解雇無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は8日、「国から労災保険の支給を受けている場合でも(使用者が)打ち切り補償を支払えば解雇できる」とする初判断を示した。

 同小法廷は、解雇を無効とした二審・東京高裁判決を破棄し、解雇権の乱用に当たるかどうかをさらに審理する必要があるとして審理を同高裁に差し戻した。

 労働基準法は業務上のケガや病気で療養中の解雇を原則禁止しているが、使用者が費用負担して療養を始めてから3年が過ぎても治らない場合、賃金1200日分の「打ち切り補償」を支払って解雇できると規定している。

 今回の訴訟では、使用者が療養費を負担せず、国が労災保険を支給している場合でも打ち切り補償の規定を適用できるかどうかが争点だった。

 同小法廷は判決理由で「労災保険が給付されている場合、労働基準法が使用者の義務とする災害補償は実質的に行われているといえる」と指摘。「療養開始後3年が過ぎても治らない場合、打ち切り補償の支払いで解雇できる」と判断した。4人の裁判官の全員一致。

 一、二審判決によると、男性は2002年ごろから首や腕に痛みが生じて頸肩腕(けいけんわん)症候群と診断され、07年に労災認定を受け、休職した。専修大は11年に打ち切り補償約1630万円を支払って男性を解雇。男性側が地位確認を求めて提訴した。

 一審・東京地裁は「打ち切り補償の適用は、使用者による療養補償を受けている場合に限られる」とし、解雇無効と判断。二審・東京高裁も支持していた。

 上告審で、専修大側は「労災保険制度は使用者の災害補償責任を肩代わりしており、打ち切り補償を支払った解雇も可能」と主張。男性側は「労災給付では使用者の補償責任は果たされておらず、解雇を認めれば新たな大量解雇の道が開かれる」と反論していた。

個人消費に追い風

2015年6月3日(水) 

中小企業はまだまだずいぶん無理しているのが
否めない点が気にはなりますが…。


個人消費に追い風 4月実質賃金、2年ぶり上昇
2015/6/3 1:19日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS02H51_S5A600C1EA2000/

 賃金の上昇をきっかけに、もたつく個人消費に弾みがつきそうだ。厚生労働省が2日発表した4月の毎月勤労統計調査によると、物価上昇による目減り分を除いた実質賃金の指数は前年同月比で0.1%上昇した。上昇は2年ぶりとなる。賃金の伸びが物価の伸びをようやく上回り「所得増→支出増→生産増→所得増→……」という経済の循環も前向きに動き始めそうだ。

 名目賃金は2014年12月以降、ほぼプラス圏で推移する一方、実質賃金はマイナスが続いていた。消費増税に加え、円安による輸入食料品などの価格上昇に追いつかず、モノやサービスに使える家計の余力は乏しかった。4月に入り、増税後の消費がもたついた一因が解消され、「個人消費が持ち直す」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)との見方が広がっている。

 賃金の改善幅は0.1%増とわずかに水面上に浮上した程度だが、4月の常用雇用者数は前年同月比で2%増となった。女性や高齢者がパートを始めるケースが多く、1人あたりの賃金にならすと、上昇率は伸びにくい。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮崎浩シニアエコノミストは「(日本経済の)全体として所得は増えており、消費への押し上げ効果は大きい」と指摘する。

 実際に、消費拡大の兆しが見えつつある。総務省の家計調査によると、4月の勤労者世帯の実質の消費支出額は前年同月に比べ0.5%増えた。個人事業主や年金暮らしなどを含む2人以上の世帯全体では、1.3%減だった。消費低迷が続いているように見えるが、企業で働く人の消費は確実に回復している。

 消費拡大の追い風となりそうなもう一つの要因が物価上昇の鈍化だ。昨秋以降の原油安を背景に4月の全国消費者物価指数は値動きの激しい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比0.3%上昇にとどまった。14年4月の消費増税による要因を除くと横ばいとなった。

 物価は今年夏ごろまではゼロ近辺かマイナス圏に突入するとの見方が多い。電気料金の引き下げなどが寄与する。賃上げと物価下落で、家計の実質的な購買力は増しそうだ。

 ただ、外国為替市場で1ドル=125円前後という12年半ぶりの円安が定着すれば、輸入物価の上昇が加速するのは必至だ。秋以降は原油安も一巡し、エネルギー価格は前年比でプラスに転じる公算が大きい。賃金の伸びを物価が上回り、実質賃金が再びマイナスに陥る展開も考えられる。


毎月勤労統計調査[ monthly labor survey statistics ]
製造業、サービス業など主要産業の事業所における労働者数、給与額、労働時間数などその時の情報についての動態統計。毎月の変動を表すのが主な目的だ。常用労働者5人以上の事業所が対象となる。このうちの製造業の所定外労働時間(残業)は景気による企業業績の波が大きく影響するため、景気動向指数のひとつに採用されている。雇用保険の給付額を改定する際の資料にも使われる。

賃上げ辞退します

2015年6月1日(月)

現場では実際によく耳にすることです。

「賃上げ辞退します」 税が惑わす日本のかたち 税金考(1)
2015/6/1 2:00日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H1H_R30C15A5MM8000/

 税金が静かに日本をゆがめている。時代にあわない税が暮らしや企業を惑わし課税の公平も揺らぐ。目先の消費増税に気を取られ税財政のひずみを直す「棚卸し」がおろそかになっていないだろうか。税金という鏡にニッポンを映すと、この国の未来へのヒントが見えてくる。

 「賃上げ? せっかくのお話ですが辞退します」。東京都内の金属加工会社で契約社員として働く河本信子さん(51)が上司にこう伝えたのは4月上旬だった。

 消費を活性化する賃上げは脱デフレの生命線。政府は民間の賃上げ交渉にも口を出してきたが、いざ賃上げが実現すると雲行きがおかしい。

 河本さんも引くに引けない。賃上げなら「年収が103万円を超してしまう」。専業主婦世帯の所得税を軽くする配偶者控除を使えなくなる。夫の会社の配偶者手当も打ち切りだ。

 「今年の年末は去年より人繰りが厳しいかもしれない」。茨城県内のあるスーパーでは男性の店長(41)が頭を悩ます。パートの時給を70円上げ900円にしたが、103万円の壁を懸念して出勤時間を減らす申し出が最近目立って増えた。所得税の計算期限である12月は小売業の繁忙期。「現場が困る」。マルエツの上田真社長(61)は真顔で心配する。

 共働き世帯が専業主婦世帯より多くなってもう20年がたつ。安倍晋三首相は配偶者控除見直しに意欲的とされるが、どこまで踏み出せるだろう。

 「選挙時の炊き出し、ポスター貼り……。専業主婦が支える地元後援会に説明できない」とある自民党議員は漏らす。そのためらいが笑えない喜劇のような賃上げ辞退につながり、働き手が減る日本経済の「成長の天井」を下げている。

■2030年大企業ゼロ

 2030年。日本は大企業がゼロの国になるかもしれない。こんな予測が話題だ。景気回復で総法人数は増え始めたが、大企業だけは年約1200社ペースで減っているためだ。

 法人税法は資本金が1億円超の企業を「大企業」、以下を「中小企業」とする。国税庁統計によると、13年度の大企業数は2万1916社。2年で2464社減った。このペースならあと15年程度で大企業はなくなる。

 4月の官報に減資の実施を公告した都内の広告関連企業は4億円弱の資本金を1億円に減らす。業績は堅調なようですがどうして? 社長の60代の男性に聞くと「税負担がねえ」と返ってきた。

 税法は中小企業に恩恵を与えている。年間所得800万円以下なら法人税率は15%と大企業の23.9%より低い。赤字企業でも税金を払う外形標準課税も対象外で、公的融資も受けやすい。

 1200億円超の資本金を1億円に減らすことを一時検討したシャープ。「奇策」との批判に大田弘子政策研究大学院大学教授(61)は言う。「そもそも『資本金基準』で大企業と中小企業を分けるのは世界でも異例だ。抜け穴を放置しているから減資ブームが起きている」

 個人や企業の日々の選択が巡り巡って日本のためにならない。ちぐはぐ感を突き詰めていくと、時代がかった税の問題が浮かび上がってくる。気がつけば国の借金は1000兆円。広がるほころびは明日の日本への警報でもある。

■人口減でも建設ラッシュ

 窓の外ははるか神戸の夜景まで見渡せる。ここは大阪市天王寺区のタワーマンション、夕陽丘イクス。高層階の3LDKに家族4人で住む太田浩さん(36、仮名)が5000万円のこの物件に目をつけたのは「相続節税に使える」ためだった。

 物件は67歳の父親が所有する。タワーマンションは高層階になるほど課税評価額が低く、太田さんの物件はわずか1400万円。美しい夜景と1000万円の相続節税効果に太田さんは「申し分ない」と笑う。

 1月から始まった相続増税が生んだ特需に住宅市場が沸いている。大阪府内の人口は減り始め空き家も増えているのに、節税効果が大きいタワーマンションは10棟近くの計画が進む。合理的なのだろうか。

 夕陽丘イクスから徒歩15分の近鉄線・鶴橋駅。不動産仲介会社シティホーム鶴橋センターの梁川英秀氏(28)は「マンション建設ラッシュの余波で空室が1~2割増えた」と嘆く。調査会社東京カンテイによると、府内の分譲マンションの4月の賃料は1平方メートル1933円。1年前と比べ1.8%下がった。

 「潮時だと思った」。会社員の渡潤さん(48、仮名)はさいたま市北区に保有していた4階建てマンション1棟を昨年売却した。人口が減り始めた日本では世帯数ももうすぐ減少に転じる。「節税狙いの住宅投資は本人には合理的だが日本経済で見れば壮大な無駄を生む」と小峰隆夫法政大大学院教授(68)は言う。ここにも税が日本を惑わす新たな光景が広がっている。

働く年金世代急増

2015年5月27日(月)

需給がマッチし、経済効果も高そうです。

働く年金世代急増 60代後半の5人に2人 14年度
2015/5/27 1:26 (2015/5/27 3:30更新)日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H57_W5A520C1EA2000/

 年金をもらいながら働く人が増えている。60代後半のうち、働く人の割合を示す就業率は2014年度に40.7%と前年度を1.8ポイント上回った。5人に2人が働いている計算で39年ぶりの高さとなる。かつては働く高齢者といえば自営業主が大半だったが、今は流通・介護・製造など人手不足の業界で雇われる人が多い。働き手が増えれば、消費の押し上げや年金制度の安定にもつながりそうだ。に40.7%と前年度を1.8ポイント上回った。5人に2人が働いている計算で39年ぶりの高さとなる。かつては働く高齢者といえば自営業主が大半だったが、今は流通・介護・製造など人手不足の業界で雇われる人が多い。働き手が増えれば、消費の押し上げや年金制度の安定にもつながりそうだ。

 総務省の労働力調査で集計した。65~69歳の就業率は1975年度以来の高さで、40%台も21年ぶりだ。男性に絞れば51%と16年ぶりに50%を超えた。女性も31%と初めて3割を超えた。働く60代後半は男女合わせて374万人と前年度より10%増えており、10年間で5割伸びた計算だ。

 すべての人が加入する国民年金(基礎年金)は原則65歳から受け取れる。個人の希望で受け取り開始を早めたり遅らせたりできるが、新たに年金をもらう人の99%は65歳までに受け取っている。年金と給与の両方を受け取りながら暮らす人が増えているわけだ。

 働く高齢者が増えれば、消費の押し上げ効果も大きい。現役世代よりも多く消費するためだ。経済産業省の分析では、60歳以上の人は所得の9割を消費に回している。老後に向けて貯蓄している59歳以下では7割にとどまる。

 働き方も大きく変わった。30年前は60代後半で働く人のうち6割以上が自営業主だった。中小商店や農業で収入を得て働いていた。最近は大型小売店の拡大や農業の衰退で自営業主は3割以下まで減った。会社や団体、官公庁などに雇われてお金を稼ぐ高齢者が主流だ。労働力調査をもとに推計すると、会社員の平均年収(全世代)は約340万円と自営業主よりも2割高い。

 65歳以上で働く人を産業別にみると、前年度に比べて最も大きく伸びたのは流通業で、8万人増えた。そのほかに伸びているのも医療・介護(7万人増)、製造業(6万人増)、宿泊・飲食(5万人増)、建設業(4万人増)と人手が足りない業種に集中している。

 人手不足の企業にとって、経験のある高齢者は大きな戦力だ。日用品卸大手のPaltacは昨年10月から、パートを含めた7400人の全社員を対象に再雇用の期間を65歳から70歳まで引き上げた。「若い人材の採用が難しくなっていることも一因」(同社)という。JFEスチールも生産現場の若手を育てるために65歳を超えた退職者を起用する制度を始めた。

 介護中堅のケア21は昨年4月に定年を廃止した。意欲と体力があればずっと働ける。不動産仲介大手の東急リバブルも昨年4月から再雇用の上限を65歳から70歳に引き上げた。

 豊かな老後を過ごすためには生活資金の足しを得たいのが高齢者の本音だ。今年4月から公的年金は支給額を毎年1%ずつ実質的に減らす仕組みが始まった。今後30年で2割目減りする見通しで、年金だけに頼って生活するには不安がある。

 公的年金は「世代間の支え合い」といわれる。会社員として働き続ければ、70歳までは厚生年金の保険料を払うため、年金制度の支え手に回る。働くことを通じて高齢者が社会保険料や税金を納めれば、年金制度や財政もより安定していく。


時短と生産性向上両立へ

2015年5月25日(月)

実態としてどうなのか分かりにくい面もありますが、朝早く来たらなるべく早く帰りたいのは人情でしょう。
勤務地を限定しない働き方は今後ますます広がっていくように思います。


時短と生産性向上両立へ 労働基準法改正にらみ
2015/5/25付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO87199010T20C15A5TCJ000/

 企業が労働時間の短縮と生産性向上の両立に取り組んでいる。朝型勤務の導入で残業時間を減らすなど、仕事の進め方を変えて効率化を目指す。政府は時間ではなく成果に賃金を払う「脱時間給」制度を盛り込んだ労働基準法改正案を今国会に提出した。時間当たりの労働生産性(労働者1人当たりの付加価値)の向上が急務になっている。

 「平均の残業時間は減少しても、前3月期の業績は増収増益だった」――。伊藤忠テクノソリューションズは2014年7月に導入した朝型勤務制度の成果に自信を深めている。基本の始業時間は午前9時だが、午前5時から9時までに出社して1時間以上勤務した場合、法定の時間外割増手当(25%)に加え、同社独自の割増手当(25%)を上乗せする。

 夜間にダラダラと残業を続けず、翌朝に持ち越して効率的に仕事をこなすことが目的だ。約3900人の全社員が対象で、1人当たりの月間残業時間は約10時間減った。それでも増益を確保し、仕事の密度は高まったと受け止めている。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾畠未輝研究員は「日本では長時間働かないと評価されないという考え方がいまだに根強い。きちんと成果で評価する人事制度の確立と、生産性の低いダラダラ残業をなくすことが必要だ」と話す。

 米製薬大手の日本法人・ヤンセンファーマは1月、経理など本社の間接部門を対象に、月に1度だけ金曜日の午後3時に退社できる制度を始めた。業務に支障が出ないよう、各部門ごとに社員数人が3時に退社している。いつもより人数を減らすことで、効率のよい仕事の進め方を考えさせる狙いがあるという。

 富士フイルムは3月、社外からでも簡単に会議に参加できるシステムの利用を社員に促し始めた。対象は関係会社を含む3万1000人。クラウドサービスを活用、パソコンにカメラとマイクを付ければ相手の表情を見ながら意見交換でき、地方の事業所から本社への出張などを減らせる。「いつでもどこでも仕事ができるようにして効率性を高めたい」(人事部の座間康次長)という。

 日本生産性本部によると、就業1時間当たりの日本の労働生産性は2013年で41ドルと経済協力開発機構(OECD)の加盟国34カ国中20位だ。今国会に提出された労基法改正案の「脱時間給」制度の対象は年収1075万円以上などと限定されている。だが日本企業の国際競争力を高めるには、全社的な労働生産性の向上が欠かせない。

 連続した勤務時間を短くするだけが解ではない。ゲームソフトの開発者などは創作意欲が高まったら、ある程度は長時間仕事を続けた方が生産性が高まることもある。

 欧州には仕事を終えてから再開するまで11時間以上休ませる『勤務間インターバル規制』がある。労働政策研究・研修機構の池添弘邦主任研究員は「社員の健康と生産性を両立させる方法として、日本企業が採用するのも一案ではないか」と話している。(青木茂晴)


パナソニック、介護事業2万人に増員

2015年4月28日(火)

大きな需要を見込んでいるのですね。

パナソニック、介護事業2万人に増員 成長の柱、4年で10倍
22015/4/28付 情報元 日本経済新聞 朝刊 
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDZ27HXV_X20C15A4MM8000/

 パナソニックは高齢者の介護サービスに携わる従業員の数を2018年度末までに現在の10倍の2万人に増やす。新卒・中途を問わずに採用。短時間勤務制度などを整備して人員を確保する。国内の民間介護サービス・製品の市場規模は、20年に14年比7割増の2.8兆円になる見通し。パナソニックが主力とする住宅・住設事業との関連性も高く、成長戦略の柱として本格展開する。

 訪問介護などを手掛け約2000人の従業員を抱える子会社のパナソニックエイジフリーサービス(大阪府門真市)を中心に人員を増やす。首都圏や関西などで運営する介護サービス施設も現在の10倍の200拠点に増やす。グループの介護関連の売上高を25年度には現在の6倍の2000億円に引き上げる方針だ。

 大学の新卒を正社員として15年度は150人、18年度には約600人を採用する。高卒や専門学校卒、主婦や退職したシニア層にも対象を広げたい考え。経験者を中心とする中途採用は、契約社員やパート待遇で15年度は250人、18年度は年5400人を雇う。定着率を高めるために中途採用者も正社員として登用する。2万人の人員は業界最大手のニチイ学館の4万人に次ぐ規模だ。

 介護施設では短期滞在や訪問介護などのサービスを提供する。住宅リフォーム、介護器具や設備、家電製品などパナソニックの主力事業の総合的な売り込みやニーズの吸い上げにつなげる。


公務員にフレックス制

2015年4月21日(火)

フレックスタイム制はもっと広く導入されてもいいかもしれません。

公務員にフレックス制 国が来春 民間に働き方改革促す
2015/4/21 2:00 日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H39_Q5A420C1MM8000/

 政府は20万人程度の国家公務員を対象に、個人が働く時間を柔軟に選べるフレックスタイム制を、来年4月に導入する方針だ。日本企業のフレックス制導入は、政府が成長戦略の核と位置づける「働き方改革」の柱の一つ。国が率先して導入し、裾野を広げる。

 現在のフレックス制は一般に「コアタイム」と呼ばれる出社を義務付ける時間を設定したうえで、出社・退勤の時間を自由に決める仕組み。子育て世帯なども働きやすくなるメリットがある。

 人事院が夏にフレックス制の対象拡大を内閣と国会に勧告。これを踏まえ政府が「勤務時間法」の改正案を秋の臨時国会に提出する見通しだ。

 現在、フレックス制で働ける国家公務員は研究職や専門職などに限られ、2013年4月時点で約1200人。法改正後は自衛隊員などを除く20万人以上が使えるようになる。国家公務員の労働時間は原則として1日7時間45分、1週間で38時間45分と定められているが、同法改正後は大幅に緩和される。正午前後の「コアタイム」を設定したうえで、働く時間を選べるようになる方向だ。

 政府は今回の取り組みに並行して民間企業がフレックス制を導入しやすくする労働基準法の改正案を今国会に提出した。

 働く時間を従来の月ごとではなく3カ月単位で区切り、その範囲で労働時間の帳尻が合えば、残業代が原則発生しない仕組み。企業・従業員ともに使い勝手がよくなる。法改正に合わせて国家公務員が導入することにより、官民一体でフレックス制の浸透を目指す。6月にまとめる政府の成長戦略にも盛り込む。

 厚生労働省のアンケート調査(4271社が回答)によると、フレックス制を採用している企業は14年1月時点で5.3%にとどまる。1000人以上の大企業では27.7%が採用しているが、30~99人の中小企業では3.2%にすぎない。


「転職35歳まで」変化 中高年で増加傾向

2015年4月21日(火)

これは良い傾向と言えるかもしれません。

「転職35歳まで」変化 中高年で増加傾向 海外展開・新事業…管理職引き合い

2015/4/21付 日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKASDJ20H18_Q5A420C1EA2000/

 景気回復をにらみ企業が採用を拡大する中、若手だけでなく中高年の転職が増えてきた。業容を拡大している中堅・中小企業を中心に、経験豊富な管理職などを外部から登用。迅速な新規事業の立ち上げや海外展開に生かしている。従来は35歳を目安に、それ以上の年齢の転職は難しい面もあったが、少しずつ変わり始めている。

 総務省の労働力調査によると2014年の転職者は290万人で4年連続で増加した。この間の増加幅は7万人だった。25~34歳は労働力人口の減少もあり7万人減って75万人だった。一方で35~44歳が5万人増え67万人、45~54歳も3万人増え41万人となった。

 人材紹介大手のJACリクルートメントによると、40~50代の求人は今年に入っても増加が続き「外資だけでなく国内企業も管理職採用に積極的だ」(松園健社長)。ヘッドハンティングを手がけるプロフェッショナルバンク(東京・千代田)では「実務経験が豊富な現場のリーダークラスのニーズが高まっている」(児玉彰社長)という。

  カーナビ大手のアルパインは35歳以上の管理職の中途採用に積極的に取り組んでいる。14年度は5人採用し15年度は最大10人まで増やす予定だ。同社では「クルマの電子化に伴い事業領域が拡大していることに対応する」としている。自動認識システムやラベルプリンターを手掛けるサトーホールディングスでも14年度は9人採用し15年度も4人採る計画だ。

  建材大手の永大産業は、これまで新卒採用がほとんどだったが、昨年秋に40~50代のメーカーの海外勤務経験者を2人採用した。即戦力としてベトナムの資材製造関連会社の管理部門の責任者などに配置した。現地従業員の管理は「経験がないと難しい」(同社)。

  急成長するIT(情報技術)企業の中途採用も活発だ。弁当宅配サイトを運営するスターフェスティバル(東京・渋谷)は、最高財務責任者(CFO)や最高技術責任者(CTO)に楽天などからヘッドハンティングしてきた人材を起用した。経営のスピードが一段と求められるようになる中、新興企業では自前の人材育成では業容拡大に追いつかない面もある。

  大企業が女性の管理職登用の一環として転職組を活用するケースもある。日立製作所では13年度から経験者採用を増やしている。採用活動をまとめる人事教育総務センタ・採用グループの大竹由希子部長代理は電機メーカーなどを経て14年2月に入社した。40代で人事関連での経験が評価され採用された。

  中高年の転職拡大で転職全体の平均年齢は上昇している。プロフェッショナルバンクで採用が決まる人の平均年齢は40歳程度だという。人材サービス、インテリジェンスの木下学DODA編集長は「これまで転職サービス業界でささやかれていた『35歳限界説』が、ここ2~3年で中高年層の採用が活発になり崩壊してきた」と指摘する。

  年功序列型の給与体系の見直しが進んでいることも、中高年の転職が増えている背景にある。企業は必要な人材を中途採用するために高い給与を提示しやすくなった。実力主義の浸透で、職場では外部から来た年下の上司も受け入れられるようになってきたようだ。


大企業健保、料率平均9%

2015年4月20日(月)

医療費自体を抑制しない限りはなんともならないようです。

大企業健保、料率平均9%
2015/4/20 2:00 日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85880820Q5A420C1NN1000/
 大企業の会社員が入る健康保険組合が、相次いで保険料率を引き上げる。セブン&アイ・ホールディングスやアステラス製薬など幅広い企業が保険料を引き上げ、2015年度の保険料率は前年度から0.2ポイント上昇して平均9%になる見込みだ。政府が高齢者の医療費増加に対応するため、加入者の所得が高い健保の負担を今年度から重くすることが響く。家計や企業収益を圧迫するほか、企業の競争力にも悪影響が出る可能性がある。

 保険料率の引き上げは8年連続。約1400ある組合のうち、2015年度に保険料率を引き上げるのは2割程度に達する。

 セブン&アイの健保組合は保険料率を2年ぶりに引き上げ9.9%から10.5%にした。アステラスは6%から7%に引き上げた。05年に合併してから初めての引き上げとなる。パナソニックやベネッセグループなどの健保も料率を上げた。

 保険料は上昇が始まる前の07年度には平均7.3%だった。年収600万円の会社員の場合、年間の自己負担がこの8年間で5万1000円増える計算で、その分、消費に回すお金は目減りする。

 健康保険料は原則、企業と会社員が半分ずつ拠出する。保険料が上がり続ければ企業のコストも増し、競争力をそぐ結果となりかねない。

 保険料の上昇は、高齢者向けの医療費が膨らんでいるのが主因だ。健保が集めた保険料は主に社員とその家族の医療費に使われるが、4割強は政府を通じ高齢者医療などを支える支援金として拠出されている。企業からは「支援金負担が重い」(アステラス健保)と不満の声が上がっている。

 健保組合は保険料の引き上げを続けても膨張する支援金をまかないきれていない。保険料収入から支出を差し引いた収支は、約7割の健保組合で赤字だ。

 健保組合全体でみた15年度の赤字は1500億円程度になる見通し。会社員の収入に比例する保険料の支払いが賞与の回復などで増えた結果、赤字額は前年度の3689億円(予算ベース)から縮小する。それでも支出超過の構図は変わらず、健保財政の悪化は歯止めがかからない。

 来年度以降も、保険料の上昇は続く公算が大きい。要因の一つが加入者の年収が高い健保ほど高齢者医療向けの支援金を増やす「総報酬割」と呼ぶ制度の対象拡大だ。

 14年度は支援金の3分の1が総報酬割だったが、今国会に提出した医療制度改革法案が成立すれば、15年度に2分の1、17年度に全て総報酬割になる。給与の多い大企業の社員ほど負担が増えると見込まれている。

早期がん「線虫」がかぎ分け

2015年4月17日(金)

今日の新聞で知りましたが、このような研究があったのですね!

線虫でがん診断 1滴の尿のにおいで判定 早期がんにも
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/9/3/9381.html
2015-03-12 11:56
 がん患者が発する特有のにおいを嗅ぎ分ける線虫の性質を利用し、患者の尿1滴でがんの有無を95%の高精度で調べる方法を開発したと、九州大学などの研究チームが12日発表した。

 臨床現場ではがん患者には特有のにおいがあることが知られており、日本をはじめ海外の研究機関では、鋭い嗅覚を持った犬をがん診断に利用するという研究が行われている。九州大の味覚・嗅覚センサ研究開発センターの広瀬崇亮助教らの研究グループは、このにおいに注目し、線虫「C.エレガンス」ががん患者の尿にどう反応を示すか実験した。

 C.エレガンスは、飼育が簡単なことから生物実験で一般的に用いられる体長数ミリの線虫で、犬と同じくらい嗅覚が優れている。実験では、シャーレに置いた線虫に、がん患者の尿と健康な人の尿242人分を数滴垂らし、それぞれの検体に線虫が示す反応を調べた。その結果、線虫はがん患者24人の尿のうち23人分(95.8%)に近づき、健康な人の尿218人分では207人分(95.0%)で遠ざかった。

 24人のがん患者のうち、12例はがんの進行度を示すステージが「0」と「1」の早期がんであることから、線虫は従来のがん検診では見つけにくかった早期がんを発見できる可能性もあることがわかった。

 線虫が検出できるがんは、現段階では胃がんや食道がん、前立腺がんなど全てのがんに反応するが、がんの種類の特定にまではいたらないため、研究グループでは今後、特定のがんにだけ反応する線虫を開発し、線虫の嗅覚による診断テストの実用化に向けてさらに研究を進めるとしている。

 なおこの論文は、米科学誌「Plos One」電子版に11日付で掲載された。


平成24年4月1日から労災保険率を引き下げ

2011年12月15日(木)

厚生労働大臣が、労働政策審議会に対し、労災保険率を現行より平均で0.6/1,000引き下げることなどを盛り込んだ「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」を諮問しました。ポイントは、①労災保険率を平均で 0.6/1,000 引下げ、②メリット制の適用対象を拡大、の2点です。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001x055.html


職場のいじめ・嫌がらせの定義

2011年10月15日(土)

厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」という会議にて、定義等についての資料が示されました。目安として使えるかもしれません。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qtzp-att/2r9852000001qu16.pdf


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